夜には、いろんな妖怪が出現。人が恐怖や不安を抱いたとき、妖怪は現れるので、暗くなる夜はまさに妖怪に出会いやすい時間帯なのでしょう。
例えば、こんな妖怪たちもいたようです。

■ろくろ首

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全国に主壺する妖怪で、大半が女性の姿でした。夜になると首が長くなるろくろ首は、ほとんど人に害を与えませんが、抜け首のタイプは人を襲うことも。この抜け首タイプというのは、首(頭部を含む)が胴体から離れて飛び回る妖怪のことです。

■畳叩き

夜中に畳を叩くような音をたて、バタバタという呼び名もある妖怪です。主に、高知県や広島県、和歌山県に出現。人に害はなくとも、なんとも不気味ですよね。石の精や狸の仕業ともいわれていました。

■べとべとさん

夜道を歩いていると、後ろから誰かが後を付けてくるような足音が聞こえ、振り向いたら誰もいないということがあると…べとべとさんだ!と言われていたそう。主に、奈良であった現象です。

■片輪車(かたわぐるま)

ろくろ首や畳叩き、べとべとさん…人が恐怖や不安を抱きやすい夜、妖怪は現る!


鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より

車の妖怪で、炎に包まれた片輪の車に女が乗ったものと、牛車の車輪の真ん中におそろしい男の顔がついたタイプがあるとか。どちらにしても、そんな車が突然夜道に現れたら、恐ろしすぎ!

■かぶきり小僧

夜道または山道に現れ、「水飲め、茶飲め」と声をかけてくるそう。
丈の短い着物をきたおかっぱ頭(かぶきり頭)の小僧の姿をしています。片輪車に比べたら、若干怖さはないかも?

■骨女

ろくろ首や畳叩き、べとべとさん…人が恐怖や不安を抱きやすい夜、妖怪は現る!


骨女、鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より

お盆の晩に現れる妖怪で、骨ばかりの女の姿をしています。昔、醜い顔をした女が自分の姿に悲観したあまり自殺して骸骨になってしまったけど、仲間の骸骨に「骸骨になったおまえは美しい」とほめられたそう。それで、すっかり気を良くした女の骸骨は、裸のままカタリカタリと歩くようになったとか。青森県で言い伝えのある妖怪です。

■甘酒婆(あまざけばばあ)

老婆の姿をしたこの妖怪は、風が吹き荒れる寒い夜に現れます。「甘酒はござらんか?」と言いながら、家の戸を叩くそう。でも、これで家の戸をあけてはいけないのです。誤って、家の戸をあけて甘酒をあげてしまうと、病気になってしまうのだとか。甘酒婆が来ないように、門口に杉の葉や南天の枝、唐辛子をつるして「上酒有」と書いた貼り紙をしたそうな。

もし夜にどれか妖怪に会えるとしたら、貴方ならどれに会ってみたいですか?私なら、怖いもの見たさで…片輪車かも?

参考文献:水木しげるの日本妖怪めぐり, 鬼太郎と行く妖怪道五十三次 水木しげる

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