2017年9月18日(月・祝)に、NHKにて宮崎あおいさん主演の特集ドラマ「眩(くらら)~北斎の娘~」が放送されます。「エッ、葛飾北斎の娘って、くららって名前だったの!?」と思われる方がもしかするといるかもしれませんが、もちろん違います。
本作は直木賞受賞作家・朝井まかてさんの同名小説が原作なのです。

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■主人公は葛飾北斎の娘「お栄」

主人公の葛飾北斎の娘は「お栄」という名前です。葛飾北斎には何人も子供がいましたが、三女であるお栄がもっとも北斎の画才を受け継いでおり、生涯北斎の傍で彼の創作活動を手助けしながら、自身も絵を描き続けました。お栄の画号は「葛飾応為(かつしかおうい)」。なんだか難しい名前だな、とお思いかもしれませんが、何のことはありません。北斎がお栄を呼ぶ時に「おーい、おーい」と呼んだから、葛飾応為になったと言われています。

葛飾応為や渓斎英泉って誰?NHKドラマ「眩 ~北斎の娘~」放送直前に予習


葛飾応為「吉原格子先之図」

もちろん稀代の天才浮世絵師葛飾北斎の画力は言わずもがなですが、この応為の画力も生半可ではありません。天才の子はやはり天才なのでした。

■天才絵師・渓斎英泉

また、ドラマ「眩」には渓斎英泉(けいさいえいせん)という浮世絵師が出てきます。松田龍平さんが演じる英泉ですが、彼もまた一種の天才絵師。というより、もはや奇人です。根っからの女好きで、基本的にふらふら遊んでいたようですが、春画や美人画を描かせたらぞくりとするほど色っぽいのを描きました。


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渓斎英泉「時世美女競 東都芸子」

彼は、それまで流行していた八頭身の天女のような画風の美人画ではなく、その辺にいそうな俗っぽい岡場所の女や市井の女を好んで描きました。どこかいびつであだっぽい彼の美人画は、文政期に一世を風靡し、爆発的にヒットします。

そんな渓斎英泉は菊川英山という師匠がいるにもかかわらず、北斎に私淑し、北斎の家に入り浸っている時期がありました。北斎自身も相当奇人変人と言われた人ですから、変わり者の英泉には居心地が良かったのかもしれません。

劇中では、この英泉にお栄が淡い恋心を抱いているという設定。お栄が絵師として成長していく過程が楽しみであると同時に、遊び人の英泉への恋心、どのように描かれるのかも気になります。

浮世絵ファンはもちろん、初心者も要チェックのドラマです。

■特集ドラマ「眩(くらら)~北斎の娘~」

放映日時:2017年9月18日(月・祝)NHK総合で夜7時30分~8時43分
出演:宮﨑あおい、松田龍平、三宅弘城、余 貴美子、野田秀樹、長塚京三 他
原作:朝井まかて『眩(くらら)』

眩(くらら)~北斎の娘~眩(くらら)~北斎の娘~ | NHK 特集ドラマ

葛飾応為、渓斎英泉画像出典:Wikipedia

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