ないと不便ですよね?かな文字に欠かせない「濁点」が誕生した理由とは?
では、パ・ピ・プ・ペ・ポなどの「半濁音」を表す「半濁点」はいつ、どのようにして生まれたのでしょうか?
■日本へ来た宣教師達が「かな文字」で困った理由とは?
半濁点の登場は、時代がぐっと下って室町時代末期~戦国時代頃と言われています。この時代は、ポルトガルなどの外国から宣教師達が、キリスト教の布教のため来日するようになった時代でした。
ポルトガル人宣教師達は、布教のために日本語の勉強をしていたのですが、日本語の仮名表記に「p」を含む音(つまり半濁音)を表す文字がないことに困ってしまいました。
一説によると、古代の日本語には元々「ハ行」と「パ行」の区別はなく、どちらも同じように現在の「パ行」のような「p音」として発音されていたとのこと。だから「パ行」を表す文字や記号がなくても、それが当たり前で特に大きな問題にはならなかったのです。
■アクセントを表すための記号から発明された「半濁点」
しかし外国語が入ってくるとなると、話が少し違ってきます。この問題を解決するためには、濁音を表す濁点「゛」が発明されたのと同じように、半濁音を表記するための記号が必要となりました。
そこで新たに発明されたのが、元々は清音(濁らないカ行、サ行など)の「四声」つまりアクセントを表すための記号から発明された半濁点「゜」だったというわけです。
近年でも言語学や一部の外国語を学ぶ場などでは、濁音の「が(ga)」と鼻濁音(『私が』と言うときの『が(nga)』のような鼻に通る濁音)を区別するために、鼻濁音の「が」を「か゜」と表記することがあります。
この半濁点の発明により、日本語はEuropa→えうろっぱ(ヨーロッパ)、capa→かっぱ(合羽) のような外来語の導入に無事成功します。

「パ行」の音に関しては、実は他にも秘密があります。「ガ行→カ行」「ダ行→タ行」のように、全ての濁音には対応する清音が存在します。
どうしてこうなったかは、またの機会に。
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