皆さんは「落雁(らくがん)」をご存知ですか?お盆などに「お供え物」として仏壇に上げられていることもある、白やピンク、黄色などの鮮やかなお菓子のことです。形は花や千鳥などをかたどったものが多く、近年では「和風スイーツデコ」のパーツにされるなど、眺めているだけでも楽しくなるものも多くあります。
実は筆者はこの「落雁」に、大変苦い思い出があります。幼稚園くらいの頃の筆者は「ラムネ菓子」が大好きでした。カラフルな見た目の小さな落雁を、子供だった筆者は「ラムネ菓子」と間違え、ポイッと口へ放り込んでしまったのでした。
その瞬間、筆者の顔色が変わりました。甘いけれど、酸味がなくて粉っぽく、口の中の水分が奪われるような食感の落雁は、ラムネ菓子の爽やかな味とは似ても似つかないものだったのです。「お前、それは落雁だよ!」という祖母の声が、遠くから聞こえた気がしました。「ぺっ!」とばかりに口から吐き出した筆者の感想が「何コレ!ラムネじゃないの!!」だったことは言うまでもありません。
■こだわりの落雁は、実はおいしいんです!
この強烈(?)な体験から、筆者は落雁に対し苦手意識を持つようになりました。似たような体験をしたことがある方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
実は「お供え物用」として売られている落雁は、本当に「飾り物」として作られていることが多いとのこと。つまり「おいしく食べる」ということはあまり想定されず、物にもよりますが原料などにもこだわりなく作られていることがほとんどなのです。
一方で、例えば「鳩サブレー」で有名な「豊島屋」の鳩型の落雁「小鳩豆楽」は、原材料に豆粉と和三盆、きな粉などを使用し、香ばしく上品な風味が特徴です。

このようにこだわって作られた落雁は、実はそのままおやつとしてもおいしく食べられるんですよ!
■落雁のおいしい食べ方って?
「それでも落雁が苦手」「甘い落雁だけを延々と食べ続けるのは少々キツい・・・」という方は、抹茶、ブラックコーヒーなど、苦い飲み物を飲みながら食べるのはいかがでしょうか?抹茶やブラックコーヒーの苦みが、落雁の甘さを中和してくれるので、味のバランスが取れて食べやすくなります。
お茶席でのお菓子に落雁がよく出される理由も、こうしてみると分かりますね。
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