江戸時代、性風俗について描いた浮世絵「春画」では、色事を題材に数えきれないほどの作品が描かれていました。葛飾北斎や歌川国芳など大人気絵師もさまざまな春画作品を残しています。


もちろん、一般庶民の家庭においても色事は日常的。。。

■新婚夫婦から老年夫婦まで

新婚夫婦といえば、外せないのが初夜の床入りです。堂々と交わることができるようになった喜びも、人一倍。夜が待ちきれず、昼間から妻を求めている夫も多かったようですね。中年夫婦となると、また色事も様子が変わってきます。お互いに恥じらいもなくなりたるんできた身体も、さらせるように。亭主がふと春情を催す時は、湯上りの女房を見た時だったそう。縫い物などの家事をしている姿を見て…ということも意外と多かったとか。

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新婚夫婦や中年夫婦ほど多くはないけれど、老年夫婦の色事もあったようです。春画を見ると、老夫が張り切っていると老婦が痛いから早く抜いてくれといったりと、なかなか上手くいかないこともしばしば。


■のぞき見されてもなんのその

そして、幼子がいる若い夫婦も、春事は盛んだったようです。子どもに乳を飲ませながら、子どもをあやしながら…ということも多く、実におおらか。子どもが大きくなってくると、親が何をしているかわかってはきているものの、夜の営みを垣間見ることも。

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舅姑と同居する若夫婦は、さらに覗き見される可能性がありました。小さな町家となると、襖一枚隔てた向こうで、若夫婦が…ということもあったのです。もちろん、音だとか声で舅や舅も気が付いてしまうわけですが、若夫婦はもはやそんなことは気にしていません。

ある程度生活が豊かな家になると、女中や下男(げなん)が住みこむこともあり、彼らに覗き見されることもありました。ちなみに女中は家の中で家事や主人夫婦の身の回りの世話をするのが仕事で、一方、下男は勝手まわりの家事や外まわりの雑用が仕事です。彼らは若く独身であることがほとんどなので、そんな気配がしたら気になるもの。そっと忍び寄り、気づかれないように覗き見しながら、1人欲情していた女中・下男も多かったようです。

江戸っ子たちは性に対してとってもおおらかだったんですね。プライバシーがなくても、へこたれないのはさすがです。


参考文献:別冊太陽 続春画

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