特に画法などを解説した指南書(画譜、略式画 など)は、絵師たちの当時のノウハウを把握する資料でもあり、スケッチのようなラフなスタイルの作品が多いので、錦絵とはまたちがった魅力があります。
今回は、江戸時代~明治時代に活躍した絵師たちが手がけたスケッチ画をまとめて紹介したいと思います。ラフなタッチの作品が多いので可愛らしさも感じられて親近感が湧いてくるものばかりです!
■葛飾北斎「略画早指南」
人気絵師 葛飾北斎による指南書。「略画早指南」は前編・後編の2巻からなる作品で、タイトルに指南という言葉が付いていることからわかるように、現代でいう絵描きのハウツー本といった内容になっています。
葛飾北斎「略画早指南」の詳細
■葛飾北斎 「伝神開手 一筆画譜」

こちらも北斎の指南書。人物や動物を一筆で描く方法を指南したスケッチ集。武士や子供、亀、鳥、猫、鼠などなど、一筆書きで描かれています。
葛飾北斎 「伝神開手 一筆画譜」の詳細
■歌川広重 「浮世画譜」

風景画を得意とした歌川広重による指南書。猫ちゃんがめちゃくちゃ可愛いです。歌川広重によるスケッチ画集というのはなかなか珍しいのではないでしょうか。渓斎英泉と歌川広重による合作の巻もあります。
歌川広重 「浮世画譜」の詳細
■一需斎/其春 等「諸職人物画譜」

は江戸時代の様々な職業の仕事風景が所狭しと描かれた作品で、仕事風景の他にも庶民の何気ない暮らしぶりが豊富に収録されています。
「諸職人物画譜」の詳細
■歌川国芳のデッサン画

ところ狭しと役者たちの様々な立ち居振る舞いがデッサンされています。一つ一つ細かく見ていくと時間を忘れてしまいます。奇想の絵師として人気を得ていた彼もこういったデッサンを日々描き技を磨いていたんですね。
歌川国芳のデッサン画の詳細
■河村文鳳「文鳳麁画」

当時の人々の暮らしの様子が所狭しと描かれています。その人々の姿が本当に小さく可愛らしいのです。餅つきをする人、川を泳ぐ人、スズメ捕まえようとしてる人、お風呂入る人…もうここでは書ききれないほどのシーンが描かれていて圧巻。ページ数は26ページにも及びます。
河村文鳳「文鳳麁画」の詳細
■三代 歌川広重「百猫画譜」

初代 歌川広重の門人だった三代 歌川広重の作品。「百猫画譜」は、明治時代の作家だった仮名垣魯文(かながき ろぶん)による雑誌「魯文珍報」に特集で掲載されていた画文集で、後に雑誌から百猫画譜だけを抜き出して単行本になりました。
三代 歌川広重「百猫画譜」の詳細
■北尾政美(鍬形蕙斎)「鳥獣略画式」

動物や海洋生物、昆虫などがシンプルな線でとっても可愛らしく描かれた絵手本。北尾政美の略画式は北斎をはじめさまざまな絵師に影響をあたえ、のちには彼の作品をそのまま写した作品なども確認されているほど。
北尾政美「鳥獣略画式」
■鍬形蕙斎「人物略画式」

鍬形蕙斎の略画式シリーズのうち鳥獣略画式と並んでとても面白いのが「人物略画式」という作品。
鍬形蕙斎「人物略画式」の詳細
■鍬形蕙斎「略画式」

こちらも同じく鍬形蕙斎による作品。彼の他の略画式は人物や動物など特定のジャンルに絞り描かれていますが、この略画式は人物、動植物、山水などさまざまなジャンルがひとまとめになった作品集。
鍬形蕙斎「略画式」の詳細
■河鍋暁斎の絵日記

こちらは番外編。幕末~明治時代の絵師・河鍋暁斎による絵日記です。暁斎は幕末から絵日記をつけ始めていたと言われていますが、現在までに発見されているものはわずか4年分ほどなのだそう。毎日の絵日記なのでスラスラっと筆を走らせたものなのですが、その絵がまたうまいこと!
河鍋暁斎の絵日記の詳細
■尾崎石城「石城日記」

こちらも同じく番外編。江戸時代 幕末の忍藩(武蔵国埼玉郡[現在の埼玉県行田市])の下級武士であった尾崎石城が描いていた、1861年(文久元年)から178日間の暮らしぶりが記録された絵日記。
尾崎石城「石城日記」の詳細
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