大相撲の力士は、それぞれが力士としての「四股名」を名乗ります。
四股名には
・年寄名跡にあるものは名乗れない
・「同音同字」「同音異字」の力士が他にいる場合は名乗れない
・「止め名」は名乗れない
などの制限はあるものの、文字数の制限は特にないため、近年は「曙(あけぼの)」「勢(いきおい)」「輝(かがやき)」など漢字1文字の力士も目立ってきています。
2017(平成29)年の秋場所2日目には、こんな対決も見られました。
【しこ名1文字同士の取組】輝 vs 勢
ではそれとは逆に、最も長い四股名を持つ力士は、どんな四股名なのでしょうか?
■「文字数の多い四股名」で最も有名な力士は「千代の富士」
これまでの関取の中で、最も文字数の多い四股名を名乗った力士は、漢字5文字の「千代の富士」です。
千代の富士という四股名は、彼が九重部屋に入門した当時の九重親方の現役時代の四股名「千代の山」+ 当時の九重部屋の横綱「北の富士」からつけられました。
千代の富士の手形レリーフ
その後も「須磨ノ富士」「出羽乃富士」など5文字の関取は誕生しましたが、千代の富士以前に5文字以上の四股名を名乗った関取はいなかったため、彼は
・5文字関取第一号
・5文字幕内第一号
・5文字三役第一号
・5文字大関第一号
・5文字横綱第一号
・5文字三賞受賞第一号
・5文字幕内優勝第一号
など、5文字の関取として考えつく限りの「第一号」の称号を総なめにしました。
■音数の多さは部屋伝統の漢字1字+本名なら無限大!?
しかし千代の富士は、四股名の読みの音数で言えば「ふたばやま」「きたのうみ」などと同じ5音のため、それほど長くはありません。
音数が長い力士として現在最もよく知られているのは、拗音も1字と数えると8文字になる「朝青龍(あさしょうりゅう)」です。

力士が入門して最初に名乗る四股名は「本名+その部屋伝統の漢字1字」などが多いため、本名の長い力士が入門した場合「琴鹿苑寺(ことろくおんじ)」「琴武者小路(ことむしゃのこうじ)」「貴周防原(たかすおうはら)」など、音数がとても多くなる可能性があります。
ただし実際には、あまりにも長い四股名や舌を噛みそうな四股名をつけてしまうと呼び出しさんや行司さんを困らせることになりかねませんので、そこは親方と本人が相談して決めるようですね。
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