企業向けの教育研修事業、若年層向けの就職支援事業を展開するジェイックは2025年8月12日、新入社員研修の受講者に対して、就職活動にまつわるアンケート調査を行い、その結果を発表した。調査は2025年7月2日~10日に行われ、回答者は277人。
<新入社員に聞く就活をやり直したいと考えたことは? 「1回もない」66.4% ジェイック調査>の続きです。
「入社から今日まで、就職活動をやり直したいと考えたことはありますか?」という質問で、「1、2回はある」「3回以上ある」とした回答者を対象に、「就職活動をやり直すなら、なにを重視しますか?あてはまるもの2つを選択してください」と聞いた。
その結果、多い順に、「仕事内容」50.5%、「給与」40.9%、「社風や社員の雰囲気」28.0%、「勤務地」22.6%、「福利厚生」16.1%、「働き方の柔軟性(リモートワークや副業可など)」12.9%、「教育体制(新人研修・社内教育など)」7.5%、「企業規模・企業の知名度」「企業理念(ミッション)」それぞれ5.4%、「昇給・昇格等の評価制度」「大変さを含めたリアルな働き方」それぞれ4.3%などと続いた。
ジェイックによれば、前回の2024年調査と比較し、最も変化が大きかったのは「社風や社員の雰囲気」で12.8ポイントの増加、次いで「企業理念(ミッション)」で4.4ポイントの増加だったという。
一方で、減少したのは「福利厚生」が6.8ポイント、「仕事内容」が4.7ポイント。ジェイックは「給与や福利厚生といった条件面だけでなく、職場の人間関係や企業の価値観といった、入社前に見極めるのが難しい『ソフト面』の重要性を改めて認識する傾向がうかがえます」と指摘する。
調査結果を受け、ジェイックのFuture Finderメディア事業部長の佐藤裕康氏は、次のように述べている。
「新卒採用を行う企業にとっては、入社後のギャップを減らすため、自社の魅力だけでなく、現場社員の声や日常の働き方といったリアルな姿を伝えることがより重要になります。カルチャーフィットを見極める工夫が、早期離職を防ぐカギとなるでしょう。
同時に、新入社員を受け入れる側となる管理職層やリーダー層のコミュニケーション力を向上させることも必要です。一方的な指示ではなく対話で育成を行う力や、部下と信頼関係を築く関わり方の習得などが有効です」