旭化成ホームズは、「防災に関する意識調査」を2025年8月28日に発表した。それによると、半数以上が防災用品を準備しているとした一方、備蓄品を入れ替えながら消費していく「ローリングストック」について「定期的にしている」と回答した人は27.5%にとどまるなど、防災品の点検を習慣化や充分な備えに課題があることがわかった。
旭化成ホームズは、8月30日~9月5日の「防災週間」に合わせて20~60代の男女400人を対象に「防災に関する意識調査」を行った。
「防災袋(用品)を最初に準備したのはいつ頃ですか?」という質問では、半年以内が4.3%、半年~1年以内が7.3%、1年~3年以内が8.0%、3年以上前が31.5%で、合計51%が準備しているという回答だった。
一方で、防災用品を用意していると答えた人を対象にした「最後に防災袋(用品)の中身を点検したのはいつ頃ですか?」という質問では、半年以内と回答した人は26.0%にとどまった。半年~1年以内と回答した人は30.4%。点検はしていないと回答した人は15.7%だった。
また、備蓄品を入れ替えながら消費していくことを「ローリングストック」と呼ぶが、ローリングストックを定期的に実施している人は27.5%。定期的にできていない人は、72.6%に上ることがわかった。さらに、家族の防災袋(用品)に関して、家族全員分を用意していると答えた人は45.1%だった。半数以上は自分の分だけ、もしくは一部の人数分のみしか用意しておらず、災害への備えとして不十分な様子がうかがえた。
「個人の備え」から「家族の備え」への意識を今回の結果を受け、旭化成ホームズのLONGLIFE総合研究所・所長の河合慎一郎さんは、防災用品の点検不足や、家族全員分の防災用品の準備不足がうかがえたことに対し、
「災害大国である日本において、今回の調査結果は不安を感じざるを得ない内容でした。被災後の生活を維持するためには、まず『自助』=自分自身と家族の備えが不可欠です。『個人の備え』から『家族の備え』へと、意識を変えていくことが重要だと考えます」
と指摘した。
また、防災用品の定期的な点検に関連して、「備蓄品の賞味期限や使用期限の管理はもちろんですが、それ以上に、家族構成やライフスタイルの変化に応じた内容の更新が重要」だと河合さんは説明する。
「たとえば、幼児向けの備え(おむつ・ミルクなど)は、子どもの成長とともに不要となり、代わりに学用品や衛生用品が必要になるなど、『備えの中身』も年齢や生活に応じて変化します。このような視点は、食料品の備蓄方法として知られる『ローリングストック』を、より広義に捉えることで生まれると思っています。物の更新だけでなく、生活の変化に合わせた備えの見直しは欠かせないことだと考えます」
それだけに、各家庭で最適な防災対策もそれぞれで変わるものだ。河合さんは次のように述べている。
「災害への備えは、すべての家庭に共通するものではありません。今必要な対策とライフステージの変化によって、将来必要な対策は変わってきます。その時によりパーソナライズされた防災対策に取り組むためにも、『各家庭に最適な防災対策』を心がけてほしいと思います」
なお、旭化成ホームズの注文住宅「HEBEL HAUS(ヘーベルハウス)」では、各家庭に最適な防災対策を提案するワンストップ型サービス「備えNavi」を提供している。家族構成や生活習慣に応じたパーソナライズ診断の結果に基づき、必要な防災備蓄品や災害時の行動に関するアドバイスを個別に提示。さらに、定期的に通知が届き、再診断を受けることができるため、ライフステージの変化に合わせた備えの提案も受けられるという。