マニュライフ生命保険は2025年9月10日、マニュライフ・グループがアジアの9つの国・地域の9034人を対象に実施した「アジア・ケア・サーベイ 2025(アジア健康長寿調査)」の日本における調査結果を発表した。
日本、望ましいと考える寿命は平均73歳今回の調査は、人生100年時代における生活者の健康・経済・心理面に関する実態を明らかにし、将来の資金計画や生活設計に向けた、より良い選択のヒントを得ることを目的とした。
調査では「あなたは何歳まで生きたいと思いますか」との質問に対し、日本では望ましいと考える寿命は平均73歳という結果だった(より高い生活の質を得られるのであれば、寿命が短くなることを許容すると答えた回答した人...n=3910を対象に算出)。マニュライフ生命は「予想される寿命より6年短く、『生活の質』を重視する人ほど、より短い寿命を望む傾向が見られる」と指摘する。
老後資金についての質問では、調査対象地域全体で「老後資金が十分ではない」と感じている人は平均43%。これに対して、日本は77%と最も高かった。調査結果によれば、日本では自身の金融資産の72%を現金・預金として保有しており、調査対象地域全体の平均値の50%を大きく上回った。
一方で、貯蓄型保険や年金保険などの保険商品への日本の配分割合は8%だった。これは、調査対象地域全体の平均20%を大きく下回った。マニュライフ生命は「長期的な資産形成や老後の備えとして保険商品を活用する傾向がアジア諸国で広がりを見せる中、日本では依然としてその活用が限定的である実態が浮き彫り」と分析する。
日本では「老後資金は十分ですか」という質問(n=1000)に対して、フィナンシャルプランナーを活用している人(n=216)では、42%が「十分な老後資金がある」。一方で、フィナンシャルプランナーを活用していない人(n=784)では、18%が「十分な老後資金がある」と回答していた。
日本、「健康長寿に関する願い」に「心身の状態を維持」が59%また、「健康長寿に関する願い」について質問したところ、日本で特徴的だったのは、「心身の状態を維持すること」を最重要視していたこと(59%)だった。対象地域全体では40%だったため、19ポイントも上回った。
こうした結果に、マニュライフ生命は「経済的な安定以上に『健康寿命』を重視し、生活の質を高めたいという日本特有の価値観を浮き彫りにしています。なお、『活動的に人生を楽しむ』意識は日本および全体で同水準であり、アクティブな老後を送りたいという願いはアジア共通の目標であると考えられます」と指摘した。
保険と資産形成に知見を持つマニュライフ生命の取締役代表執行役社長 兼 CEO、ライアン・シャーランド氏は、日本で「年齢を重ねても自分らしく、豊かに生きることを望む傾向が強まっているという調査結果は、価値観の大きな転換を示しています」としたうえで、次のようなコメントを寄せた。
「これは、単に長く生きることではなく、自分らしく、尊厳を持って生きることへの強い願いの表れです。一方で、老後資金や健康に対する不安、資産形成への消極姿勢が浮き彫りになったことは、私たちにとって重要な示唆でもあります。人生100年時代において、生活者が安心して未来を描くためには、健康・経済・心理面のすべてにおいて自立した選択ができる環境が必要です」
調査は2025年1月~2月、日本、中国、香港、台湾、ベトナム、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシアの9つの国・地域の25歳以上の男女計9034人(うち日本1000人)を対象に、インターネットを通じて行った。