昨年12月、AKB48から卒業すると発表した峯岸みなみ(28)。本来なら今年4月に卒業コンサートを行う予定だったが、新型コロナの影響で延期となっている。

05年12月から活動をスタートし、15年の歴史を持つAKB48。だが峯岸がいなくなることで、1期生メンバーがついに不在となるのだ。それもまた、峯岸の卒業に注目の集まる理由となっている。

そんななか、ネットでは「AKB48のテセウスの船問題」が話題となっている。

《峯岸みなみ卒業で一期生が全員いなくなるらしいから、テセウスの船的に言えばこれにて初期のakbとは完全に別な団体になるということになる》
《1期生が全員卒業したAKBがそれでもなおAKBであり続けてる事実って、テセウスの船問題に対する一つの答えとして哲学的に研究していい問題だと思うのですがどうでしょうか》
《AKB1期生卒業で真っ先に思い出したのがテセウスの船》

「テセウスの船」とは、ギリシャ神話が元となったパラドックス・思考実験のこと。

英雄・テセウスの乗った船を後世に受け継いでいくため、老朽化した部分を新しい部品へと置き換えていった。だがすべての部品が置き替えられてしまったとき、それは元の船と同じといえるのだろうかという内容だ。

今年1月にはTBSで同名タイトルの連続ドラマが放送され、広く知られるようにもなった。

そして今回、話題となっているのが“峯岸みなみの卒業で1期生が誰もいなくなったとき、果たしてそれはAKB48といえるのか”ということだ。

だが、アイドル業界に詳しい芸能ライターはこう語る。

「アイドルファンには2種類のタイプがいます。1つは特定のメンバーが好きなタイプ、そしてもう1つは“箱推し”というグループそのものが好きなタイプです。

前者の場合、好きなアイドルが卒業していくと一緒に離れていく可能性もあるでしょう。しかし後者の場合は、メンバーが卒業していってもグループのファンであり続けます」

こうした箱推しファンの存在が、アイドルグループの活動を長きにわたって支えているのだ。

「AKB48はメンバーの加入や卒業によって、新陳代謝を繰り返していくグループです。しかしメンバーが変わっても、曲やグループの考え方なども受け継がれていきます。つまり、AKB48とは概念。たとえ一期生がいなくなっても決して別ものではなく、いつまでもAKB48なのです」(前出・ライター)

1期生の卒業とともに、新たな船出となるAKB48。その前途に期待したい。

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