「今作は、もともとドラマと映画の両方を製作するという計画でスタート。ドラマの撮影が終了した後、すぐ映画の撮影に入るという流れになっていました。
スタッフはもちろんのこと、共演者たちも撮影のためにスケジュールを空けていましたからね。なのに、ここへきて延期ではなく企画そのものがなくなるなんて……。前代未聞の事態ですよ」(ドラマ関係者)
真矢ミキ(56)主演のドラマ『さくらの親子丼』(東海テレビ・フジテレビ系)。真矢の演じる九十九さくらが温かい食事を通じて、問題を抱える子どもたちと向き合っていく物語。17年10月に放送がスタートし、現在は3期目が放送されている人気シリーズだ。
実は早々に映画化も決定していたものの、それが“消滅”してしまったというのだ。いったい、何があったのか。前出のドラマ関係者が本誌にこう明かす。
「関係者には『主演の真矢さんがもう映画をやりたくないと言って、出演を断ってきた』という説明がありました。なんでも出演者が決まらないことに対して“強い不満”を抱いていたようで……。
ドラマがクランクアップしたのが2週間前で、その1週間後の申し出。
ただドラマ撮影中、彼女は何の不満も漏らしていなかったそうなんです。だから、共演者やスタッフも愕然としています。なかには『真矢さん、どうしちゃったの?』と心配する声も上がっていました」
本誌は“逆上降板”の真相について聞くべく、彼女のもとへと向かった。
12月3日のお昼前、待たせていたタクシーに乗り込もうとしていた真矢。黒の帽子を深々とかぶり、口元には大きなマスク。車に乗り込むところで、声をかけた。
――突然、申し訳ありません。真矢さんのご意向もあって、『さくらの親子丼』の映画撮影が中止になってしまったと聞いているのですが……。
記者がそう尋ねたところ、真矢はこう答えた。
「違います、違います。私は詳しいことは知らないんです。
――ドラマの撮影はつい先日、クランクアップしたばかりなんですよね?
「はい」
――これから映画がクランクインするはずだったとお聞きしています。
「いえ、映画はなくなりました」
自らそう答えた真矢。やはり、白紙になってしまったことは事実のようだ。
しかしその原因について、「私は関係ありません!」と明確に否定する。
――真矢さんが共演者に不満を抱かれていたという話もあるのですが?
「そんなこと、まったくないです。みなさんには、もう感謝しかないので……。そもそも私は何か言えるほど偉い立場の人間ではないですし、大きなことを動かすこともできませんから。『さくらの親子丼』も第3弾までやらせてもらいましたが、今まで一度も口を挟んだことはありませんでした」
――では、なぜ映画がなくなったのでしょうか?
「私はコロナの影響だと聞いています。ドラマもよく終わったなと思えるくらい、現場では密になるシーンが多かったので。私もあまり事情を知らないので、あとの詳しいことは事務所に聞いてください」
そう言い残し、真矢はタクシーに乗り込んでいった。
そこで本誌が所属事務所に問い合わせたところ、担当者はこう答えた。
「真矢や弊社から辞退を申し入れたという事実はありません。
前出のドラマ関係者は、映画撮影がなくなった影響についてこう続ける。
「今年はコロナのせいで、制作会社はどこも大きなダメージを受けています。テレビ局の広告収入が激減していることもあり、映画の製作費も8千万円ほどに抑えられてしまっています。そんななかで、今回の映画にはスポンサーも集まってきていたのです。
スタッフたちにとっては仕事が激減しているなか、貴重な映画の撮影でした。それを中止するという判断なんて、簡単にできるはずがありません。何らかの“深刻な事情”があったのは、間違いないはずなのですが……」
どこまでも食い違う、それぞれの主張。そこで、本誌は制作会社のプロデューサーに話を聞いた。すると、意外な発言が飛び出した。
「今回の判断は、コロナ禍で諸々の制作準備が遅れたためです。真矢さん個人はまったく関係ありません。それなのに私が中止したのは主役の意向だと強調して一部に話してしまい、それが広まってしまったのです。
映画が突然中止になったことに加えて、その責任を転嫁されていたことも判明した真矢。そのショックはあまりにも大きい――。
「女性自身」2020年12月22日号 掲載