
「今日また、ランチがどうのこうのと言われましてね、ふざけんなよと」
1月13日、こう怒りを露わにしたのは大手外食チェーン・サイゼリヤの堀埜一成社長だ。
西村康稔経済再生担当相(58)は12日、緊急事態宣言下では「昼間も含めて外出自粛をお願いしている」と説明。そのうえで、「昼食、ランチはみんなと一緒に食べてもリスクが低いわけではない」と指摘し、改めて昼間の外出自粛を呼びかけた。
午後8時までの時短要請に応じるなか、相次ぐ政府の要請に反発心を見せた堀埜社長。地域によっては大手飲食チェーンも補助金が出ていないことから、「大手飲食チェーンで働いている人は多い。外食はシャレにならないことが起こる」と危機感を表した。
「サイゼリヤは食事用マスクの開発で注目されたように、様々な発想で感染予防策に取り組んでいます。まず既存店の座席数を8割にし、テイクアウトも拡充しました。客と店員の会話による飛沫を防ぐため、客に注文を書いてもらう“手書き式”を導入。さらに会計時に硬貨でのやり取りを減らすため、メニュー価格を“端数ゼロ”にしたのです。
今回の宣言を受けて、一部店舗で提供していた生ビールの需要が見込めないことから缶ビールに変更。飲食業界全体が必死になっているなか、西村大臣の発言は『他人事』と批判が殺到しています」(全国紙記者)
政府は昨年9月下旬から、飲食店と農林漁業者の支援目的で「Go To Eatキャンペーン事業」を実施。サイゼリヤも、愛知県などの一部店舗では食事券が利用可能とされた。しかし感染再拡大に伴い、各都道府県では新規食事券の発行を停止するなど制限がかけられた。