日本を代表するラテン歌手であり、カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた映画「楢山節考」でも好演した坂本スミ子さんが1月23日に亡くなった。84歳だった。
坂本さんは58年にラテン歌手としてデビューし、60年から人気番組「夢で逢いましょう」(NHK総合)にレギュラー出演。さらに5年連続で「NHK紅白歌合戦」に出演し、国民的な歌手となった。
そんな坂本さんの娘は、同じく歌手の石井聖子(47)だ。2人は11年7月、本誌で対談を行っている。石井は当時自身がリリースした曲について「お母さんの声にそっくりねって言われたんです。確かに昔の音源を聴くと、いまよりずっとハイトーンで滑らかで……あ、これじゃいま、滑らかじゃないみたい(笑)」とコメント。
すると坂本さんは、「私も若いころは純情な声だったんですよ。だから、アナタだってもう少し年を……あ、もうあんまり若くはないか(笑)」と冗談の応酬。そのいっぽうで坂本さんが「アナタの声は綺麗なだけじゃないのよ、うちがつくった娘やからな」と石井に太鼓判を押すシーンも。対談は“和気あいあい”そのものだった。
■最後の作品は愛娘によるプロデュース
坂本さんは08年1月に最後のスタジオアルバム「夢で逢いましょう」をリリースしている。当時、坂本さんは71歳。
「坂本さんは芸能活動を続けながらも、子育てを一通り終えると保育園の園長にも就任しました。そんな元気な姿を見て石井さんが『もう一回、歌で世の中を賑やかにして!』といい、自らプロデュースを名乗り出たといいます。
レコーディングの際、石井さんは『好きなように歌っていいよ』とアドバイスをしたそうです。そのおかげで、『気持ちよく歌うことができた!』と坂本さんは喜んでいました」(音楽関係者)
スポーツ報知によると亡くなる一週間前の坂本さんの様子について「母の生きるパワーを感じました」と石井は明かし、「母は85歳になったら、またリサイタルをすると意気込んでいた。そこは悔いが残ったかもしれない」と語ったという。
最期まで仲睦まじかった坂本親子。亡くなっても、母娘愛は永遠だ。