「雑誌などが行う調査で、40代以上の女性に髪の悩みを聞くと、第1位は決まって『白髪』なんです」

そう話すのは、美容ジャーナリストの伊熊奈美さん。

髪のつややしっとり感などを保つために、シャンプー後のトリートメントや、ドライヤー前のヘアオイルなどでケアをしている人は多いだろう。

だが頭皮は、かゆい、フケっぽいなどの困り事があっても、どうしていいのかわからないという人が多いのでは?

「頭皮は、丈夫な髪の毛を作る土台です。いま、きちんと頭皮をケアするかどうかで、半年後の髪の毛が変わります。白髪より本当に怖いのは将来的な薄毛です。どんな髪色でも、髪のボリュームがないと美しく見えません。高齢になってもふんわりボリュームのある髪を維持するために、ほんの少し生活のなかで頭皮ケアを意識しましょう」

頭皮は肌より皮脂が多いという違いがあるが、ケアは肌と同じで、「洗浄・保湿・日焼け止め」が基本。指の腹を使ってやさしくシャンプーし、よくすすごう。

特に冬場にフケが出やすい人は乾燥が進んでいる。まずはシャンプーを頭皮に残さないことが大切。シャワーをフックから外し、髪をめくりながら襟足や耳の後ろからも頭皮をしっかりすすぐこと。ドライヤーで乾かすときは頭皮に高温を当てず、低温で乾かすこと。

そのときにできれば「頭皮の美容液」や「頭皮の化粧水」などをつけて、頭部のマッサージをしながら乾かすとよい。頭皮の美容液は「育毛剤」として販売されていることもあるが、薄毛に悩む前に使い始めよう。

外出時は頭部にもスプレータイプの日焼け止めを使い、紫外線から頭皮を守るよう心がけて。

また、乾燥だけでなく、しっかり洗っているのに頭皮がベタつくのも、水分と脂分のバランスが崩れている証拠だ。よい状態の頭皮は青白く、ヘアカラーでもしみにくい。

「髪の毛も年とともに、うねりが出るなど髪質が変化します。特に、もともと細くて軟らかい髪質の人は、薄毛になりやすい傾向があるので、ぜひ、血流をよくするブラッシングをしてください」

入浴前に行うと、髪の汚れも浮いて、一石二鳥だ。

「注意したいのは、頭皮が痛くならない柔らかいブラシでやさしく頭皮に触れることです。10回くらいとしかしても、頭皮が痛みを感じない柔らかさで、ピンが密のブラシを選んでください」

最近は「グレイヘア」も人気が高い。白髪をあえて染めず、ナチュラルな美しさに、あこがれを抱く人も多いだろう。

「いまでは、グレイヘアもれっきとしたおしゃれのひとつ。大人の女性の選択肢が広がったので、とてもうれしいです」

「女性自身」2021年2月16日号 掲載

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