「私たちは水問題の解決に向け、連携し、結束していく必要があります」

天皇皇后両陛下は2月12日、世界の水をめぐる衛生問題について話し合う国際会合に、オンラインで出席された。

陛下は特別来賓として英語であいさつされ、「水問題は世界の紛争、貧困、環境、農業、エネルギー、教育、ジェンダーなど様々な分野に関わってきます」と、研究の意義を語られた。

会合には国際機関の幹部ら30人余りが参加し、オランダのウィレム=アレクサンダー国王の姿もあった。

「’20年にはイギリスご訪問や東京五輪の開催も予定されていました。両陛下が国際親善に活躍される1年になるはずでしたが、コロナ禍でストップしてしまったのです。今回のオンライン会合出席は“皇室外交”のリスタートになったといえます」(皇室担当記者)

水問題に取り組むウィレム=アレクサンダー国王は、天皇陛下とは無二の親友。また、雅子さまは適応障害で療養に入られていた’06年夏、陛下や愛子さまとご一緒に約2週間、オランダで静養されている。オランダ王室からの招待だった。

「その後、’13年にウィレム=アレクサンダー国王の戴冠式に出席するため、雅子さまは再びオランダを訪問されます。実に11年ぶりの海外ご公務でした。このときはマキシマ王妃から雅子さまに直接電話があり、招待されたそうです」(前出・皇室担当記者)

■コロナ禍でこそ皇室の役割に期待

’19年の即位の礼では各国の王族が日本に招かれたが、雅子さまと各国の王妃・皇太子妃との交流が話題となった。

マキシマ王妃はもちろん、スペインのレティシア王妃やベルギーのマティルド王妃、デンマークのメアリー皇太子妃との親密なやりとりは、各国の王室との信頼関係を印象づけた。欧州の王室に詳しい関東学院大学教授の君塚直隆さんはこう語る。

「ヨーロッパの王室は、環境問題や人権問題などの社会問題に積極的に取り組んできました。

こういった国同士で利害が生じるテーマにおいては、とくに王室の働きが重要になります。公式訪問は難しい状況でも、水問題などの社会問題への取り組みを通じて海外の王室と交流を深めることができるはずです」

新型コロナウイルスの感染拡大で各国が入国規制の措置をとり、交流は途絶え、ワクチンの供給をめぐって対立も生じている。

「雅子さまは今後、世界の王妃との連携を深めていくおつもりではないでしょうか。コロナ禍で軋轢が生じている今こそ、王室や皇室が育んできた絆が世界の分断を止めるはずです」(前出・皇室担当記者)

オンラインで始まった新たな国際交流。雅子さまは世界の王妃と手を携え、分断を乗り越える――。

「女性自身」2021年3月2日号 掲載

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