数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。
【今回の相談内容】
義母のお金の管理に困っています。
【回答】
お金の問題って、厄介ですよね。義理のご関係だとなおさらでしょう。
ところで、ご相談を拝読して、私、看護師なものですから、ちょっと心配になったのは認知症のことです。お義母さま、そのへんは大丈夫そうですか。お金の管理が甘いとか杜撰だとかの問題ではなく、認知機能がうまく働いていないという場合にもこういったことがよく起こります。
お金に関していえば、「お財布の中が小銭だらけ」などというのも要注意現象。端数に合わせて小銭を出すことがうまくできなくなり、ついついお札で支払ってしまうので、お財布の中に釣銭の小銭ばかりがたまってしまうという現象です。
「しょっちゅう家中を探し回る」ことに加えて、そういったこともあるようなら、すこし注意して見てさしあげたほうがよろしいかもしれません。あらあら、老婆心、大変失礼いたしました。
さて、お義母さまも、ご家族さまも、双方が納得できる折り合いのつけ方、ですね。う~ん。お金を置く場所を決めてつくったところで、そこに置かないから探し回ることになっているのですものね。それはダメ。かといって、こちらが管理するというのもお気に召さない。どうしたものでしょう。
医療・介護の現場では、こういった場合、「注意する側」と「注意される側」、「管理する側」と「管理される側」といった対立にならないように、チームとなる働きかけを試みることがあります。いうなれば、お義母さまの「お金管理チーム」の設立ですね。
きれい事ですまないのは重々承知しておりますが、ご参考までに。
【プロフィール】
玉置妙憂(たまおきみょうゆう)
看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。