梅雨になると体がだるくなる。それは体にも余分な水分がたまるから。
「梅雨に入り、じめじめした日が続くと、気持ちだけでなく体も“だる重く”感じませんか? 中国発祥の伝統医学である“中医学”において、湿気は不調をもたらすとされています。湿度が高い梅雨時は、体に余分な水分や熱がたまり、体のだる重さや、むくみ、食欲不振、口内炎、目やになどの症状が現れるのです」
そう指摘するのは、タイ料理研究家で漢方スタイリストの両角舞さん。体にたまった水分や熱は、普通に生活しているだけでは排出できないので、意識して食事を変えることが必要だという。
「そんな梅雨の不調改善に効果的な食材が、春雨やもやしの原料でおなじみの緑豆です。別名をムング豆と呼ばれ、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダにおいては『有益な豆』とされています」
体にこもった熱や水分の排出を助ける作用がある緑豆は、インドや東南アジアなど気温や湿度が高い地域での健康維持に欠かせない食材だという。
「中医学でも『解毒の良薬』として薬に使われており、口内炎やふきでもの、むくみの解消にも効果的。また、食物繊維が豊富なため、湿気によって引き起こされる消化不良や食欲不振の改善も期待できます」
緑豆はスーパーや「カルディコーヒーファーム」などの輸入食品店で手に入る。また、より手に入りやすい緑豆春雨や緑豆もやしでも同様の効果が得られるという。
今回は両角さんが、緑豆食材を使った梅雨の不振を解消するレシピを考案してくれた!
■だるさを解消する緑豆カレー&緑豆ぜんざい
《 胃腸の働きを整えだるさを解消!「緑豆カレー」》
【材料】2~3人分
緑豆…100g
水(下ゆで用)…1000ml
にんにく…1片
しょうが…10g
玉ねぎ…1/2個
トマト…1個
オリーブオイル…大さじ1
カレー粉…大さじ1
塩…小さじ1/3
乾燥唐辛子…1/2本
パクチー…お好みで
米…1合
ターメリック…小さじ1/3
しょうが…5g
【作り方】
(1)緑豆を下ゆでする。緑豆をさっと洗い、水と一緒に鍋に入れ火にかける。沸騰したらアクを取り、コトコトというくらいの中弱火で45分ゆでる。
(2)(1)の間に、にんにく、しょうが、玉ねぎをみじん切りにする。トマトはヘタを取り1cmくらいのざく切りに。
(3)鍋にオリーブオイルとにんにく、しょうが、玉ねぎを入れ弱火で炒める。しんなりとし、茶色っぽくなったらカレー粉を加えよくなじませる。
(4)トマトと乾燥唐辛子を加え、ペースト状になったら火を止める。
(5)緑豆がゆで上がったら(4)の鍋に加える。塩を入れ、味を調える。
(6)米と一緒に皿に盛り付ける。
【ポイント】
カレー粉に含まれるスパイスが、たまった湿気の排出を助け、だるさ解消を促進。
《 体をスッキリ冷やす「緑豆ぜんざい」》
【材料】3~4人分
緑豆…60g
水(下ゆで用)…500ml
きび砂糖もしくは甜菜糖…60g
白玉粉…50g
絹ごし豆腐…50g
調整用の水…適量
【作り方】
(1)緑豆を下ゆでする。
(2)砂糖を加えさらに10分煮る。
(3)白玉粉に絹ごし豆腐を加え耳たぶくらいの軟らかさになるまで混ぜる。水分が足りない場合は水を少しずつ足す。
(4)食べやすい大きさに丸め、中心を少しくぼませる。沸騰したお湯に入れ、浮かんできてからさらに1分ゆでて冷水に取る。
(5)ぜんざい器に盛り白玉を添える。
【ポイント】
体内に湿気を生む白砂糖の代わりに、きび砂糖や甜菜糖を使用。白玉は水の代わりに、熱を冷やす効果のある豆腐で練る。
「緑豆は硬いので、しっかりゆでて軟らかくするのがポイント。ゆでている間に、ほかの調理を済ませれば効率よく料理できます」
緑豆レシピで梅雨のだるさを解消しよう!