放送から約5カ月が過ぎた大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合:日曜20時~ BSプレミアム・BS4K:日曜18時~)。番組は高視聴率をキープしているが、その理由のひとつに若手俳優が続々と登場することがあげられるだろう。
「磯村勇斗くん演じる家茂などの登場人物が亡くなっても、間髪いれずにイケメン俳優が注入されますよね。ロスになる暇がないくらいです。ビジュアルがいいと演技が心配されますけど、皆さん演技力が備わっている人ばかり。だから安心して見ていられます」
そんな『青天を衝け』での、幕末に煌めいたイケメンの言葉をプレーバック!
■吉沢亮(渋沢栄一)
「俺ひとり満足でも、この家の商いがうまくいっても、この世の中みんなが幸せでなかったら、俺はうれしいとは思えねぇ。みんなが幸せなのが一番なんだい」
長男がはしかで亡くなり、長女・うたが誕生するが、栄一(吉沢亮)は天下のために働きたいと父の市郎右衛門(小林薫)に「勘当してくれ」と頼む。理由を問われたときに放った栄一らしいせりふ。(第11回・4月25日放送)
■高良健吾(渋沢喜作)
「だが死んじまったらなんにもなんねえ」(栄一)「でもそれは己が決めることだ」(喜作)
喜作(高良健吾)が、武士として名を残すためにも尾高長七郎(満島真之介)を戦に行かせるべきだったと言ったあとの会話。これまでともに歩んできた2人が、別の道に進み始めたことを示唆するシーンだった。(第19回・6月20日放送)
■玉木宏(高島秋帆)
「私はこの先、残された時をすべてこの日の本のために尽くし、励みたいと思っている。お前も励め」
栄一は幼少のころ、投獄された高島秋帆(玉木宏)と言葉を交わしていた。その約10年後に釈放された秋帆は、栄一を見つけるなりこう言葉を掛けた。
■ディーン・フジオカ(五代友厚)
「捨小就大。小を捨てて大につくべし」
連続テレビ小説『あさが来た』に続き大河でも五代友厚役を務めることになったディーン・フジオカ。これは初登場時のせりふで「今後を暗示するすばらしい一言」とディーン自身も心に残ったせりふとしてあげている。(第13回・5月9日放送)
■磯村勇人(徳川家茂)
「私は武家の棟梁でありながら、何かと争うよりも、あなた様とずっとこうしておりたいと心の奥で願ってしまう」
13歳で将軍になり21歳で亡くなる家茂(磯村勇斗)は、妻の和宮(深川麻衣)を愛する好青年だ。江戸城から京へ向かうときに和宮との別れを惜しんだときのせりふ。磯村自身もこのせりふが印象的だったとインタビューで話している。(第18回・6月13日放送)
■町田啓太(土方歳三)
「日の本のために潔く命を捨てるその日まで、ひたすら前を向くのみだ。この手で何十人と命を奪ってきた。己の命にみじんも未練はない」
「眼福」「美しい2人」などこのツーショットの反響は大きかった。「殺陣のシーンを楽しみにしてもらえたら」と話していた町田啓太は美しい立ち回りを披露。栄一を救い、元百姓出身という共通点もあり心を通わせた印象的なシーン。
■草なぎ剛(徳川慶喜)
「己を責めて人を責むるな」
第15代将軍となった慶喜(草なぎ剛)はパリ万国博覧会に弟の昭武(板垣李光人)を派遣し、同行する会計役に栄一を抜擢した。ナポレオン3世からもらった西洋の軍服姿で現れた慶喜。「東照公御遺訓」を栄一とそらんじ絆の強さをうかがわせた。(第21回・7月4日放送)
物語は現在、栄一(吉沢亮)が徳川慶喜(草なぎ剛)の弟・徳川昭武(板垣李光人)とともにパリへ渡り、異文化の刺激を受けている最中だ。慶喜のほうは今後大きな決断をくだすことになる。人生の大事な局面を迎える2人だが、それは日本が大きく変わることを意味している。
沖さんに今後の注目ポイントを聞いた。
「近代化を迎えて出演者の髪形が変わり、和装から洋装になっていくところも見どころだと思います。そしてきらきらしたイケメンたちが辛酸をなめて年を重ねた役をどう演じていくのか。晩年の演技にも期待したいです」
今後も『青天を衝け』からますます目が離せなくなりそう!