天皇ご一家の夏の恒例行事だったのが、那須高原や伊豆・須崎でのご静養。そこで注目を集める雅子さまのファッションには、実は年々変化が。

ファッションライターの味澤彩子さんにお話を伺いました――。

■夏のご静養スタイルを振り返り

【’93年】那須塩原駅

ご成婚されて間もなくの那須ご静養でのお姿。シーンを選ばないシックなジャケットスタイルに、大きめ襟のブラウスでフレッシュなアクセントをつけて。

【’97年】伊豆急下田駅

近年は寒色系のスタイルが多いが、’97年は珍しいピンクのジャケットスタイルも。定番の白ボトムスも、華やかな印象の強い光沢感のあるタイトスカートで。

【’03年】那須町共同利用模範牧場

スマートなシャツスタイルでありながら、リラックス感のあるオーバーサイズを選び、バレエシューズを合わせることで動きやすさと品格のあるスタイルを両立。

【’12年】伊豆急下田駅

毎年、ご静養時に白ボトムスを素敵に着こなされている雅子さま。白パンツはトレンドに応じて変化が見られ、’12年はセンタープレスのややフレアなシルエットを。

【’19年】那須塩原駅

最近多く見られる水色×白のスタイル。爽やかで夏らしい配色には、モノトーンのバイカラーのバッグと靴でメリハリを。お召し物がシンプルなぶん、ジュエリーは華やかに。

■長くご愛用の名品ブランドバッグ

【’02年】Salvatore Ferragamo

’90年代から愛用されているバイカラーのバッグは、バイカラーのパンプスと合わせることが多い。

【’10年】FENDI

繊細な刺しゅうがエレガントなバケット。ハンサムなジャケットに合わせ、甘辛ミックススタイルに。

【’13年】DIOR

艶やかなパテント素材が目を引くバッグは、皇族とゆかりの深いディオールのマリスパール。

■ファッションライター・味澤彩子さんがポイント解説

新婚当初、’90年代の雅子さまは、ご静養に向かう道中ながら表情にもどこか緊張が感じられ、リラックスというよりは、特別感のある華やかなファッションが印象的でした。

しかし、愛子さまのご誕生と共に、エレガントなだけでなく動きやすさも両立したスタイルに。愛子さまが成長されるにしたがって、リラックス感のあるナチュラルな素材、ハンサムで凜としたジャケットスタイルが多く見られるようになりました。

洗練されたシンプルなコーディネートを、さらっと着こなすお姿には皇后としての風格が感じられます。ご公務とは違い、素顔の雅子さまらしさが垣間見えるご静養時のファッション。コロナ禍の今は困難ですが、また駅頭で交流される日が待たれます。

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