大食堂の天井から6つのシャンデリアがつり下げられ、きらめきを放っていた――。2年半にわたって改修工事が施された秋篠宮邸が、11月22日に報道陣に公開された。

「秋篠宮邸は、ご一家のお住まいである私室部分、皇嗣職職員らが勤務する事務部分、賓客の接遇などに使われる公室部分で構成されています。改修によって約1540平方メートルから約2970平方メートルと、延べ面積は約2倍になりました。この日に公開されたのは、大食堂や大広間、3つの応接室など、公室部分の一部です」(皇室担当記者)

宮邸内部の写真や映像が当日報じられたが、残念ながら、ネット上では批判的なコメントも……。

《改修だけで30億ねぇ。暮らすのにそんなに豪華な建築素材や家具が必要なのだろうか》
《宮内庁が見せてる映像からは30億かかる改修のようにはとても見えない》

前出の皇室担当記者が続ける。

「改修費用は、建物部分に約26億円、庭園工事など含めると約30億2千万円、同じ御用地内にあり連結された赤坂東邸の改修まで含めると約34億6600万円と公表されています。多額な費用を揶揄して《現代のベルサイユ宮殿》というコメントもあったことが話題になりました」

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも、費用については疑問を感じているという。

「コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響で国民の生活が逼迫しているなか、秋篠宮ご夫妻が既得権益として、改修工事を進められたことに、不満を抱いた国民も多いということでしょう。自分たちに寄り添ってくれていないと感じる人もいたと思います」

秋篠宮さまも紀子さまも、こうした批判を憂慮されており、批判を和らげるためなのか、宮内庁も何度も“いかに節約したか”を強調している。

9月末に改修工事が完了した際に宮内庁管理部は次のように説明している。

「秋篠宮皇嗣同妃両殿下におかれましては、今回の工事に当たりまして、必要最小限の予算で改修するべきとお考えになり、それを踏まえ、宮内庁において、当初予算額をできるかぎり削減できないか様々な検討を行いました」

具体的には、建築材料や器具の一部について新規調達をやめて既存のものを再利用したという。

「さらに宮邸を公開した際には、大食堂のシャンデリアも半世紀前のものを再利用したと報じられていますが、これも宮内庁のアナウンスによる情報でしょう」(前出・皇室担当記者)

■工事関係者の一部は「もう二度と宮内庁の仕事は受けたくない」

しかし、今回の改修工事に不満を抱いているのは、工事の経緯を知らない一部の国民ばかりではないという。

宮内庁関係者はこう明かす。

「改修工事関係者のなかには、『正直、もう二度と宮内庁の仕事は受けたくない』と、語っている者もいるのです。工期は半年延長されましたが、それはコロナ禍の影響ばかりではなく、秋篠宮ご夫妻の“追加注文”が相次いだためもあったそうです。お二人は現場にも逐次足を運ばれ、要望を出されていたそうです。

“もっと金を使用してほしい”“(素材は)イタリア産が好ましい”といったもので、そのたびに工期が延びていったのです。もちろん素材費用などの実費は増えていきましたが、いっぽうで改修費用を抑えてほしいという要請もあったそうです。工事関係者たちは、『超過分は自分たちがかぶるしかないのか……』と、嘆いていました」

大食堂には壁面に金色のパネルがあしらわれ、大広間の梁には金色の装飾も施されていた。それらが“もっと金を”という要請によるものだったのか。

秋篠宮邸内部の写真を見た建築家は、次のように解説する。

「秋篠宮邸はもともと’72年に秩父宮邸として竣工された建物です。設計を手がけたのは吉田五十八とされており、彼はモダン数寄屋建築の先駆者として知られています。

改修を終えた秋篠宮邸にも、吉田五十八風の意匠が、そこかしこに残されており、“貴重な文化財を後世に残す”ことも改修工事のコンセプトの1つだったのでしょう。

とても繊細な造りで非常に高度な技術が必要です。いま同じレベルの建築をすることは、技術的に難しいと思います。

“安っぽく見える”という意見もあるようですが、専門家から見ればけっしてそんなことはありません。しかし建物の改修費用は、900坪で26億円とすると、1坪約290万円になります。これは非常に高額で、いまは超高級ホテルの新築でも、そこまでの費用はかけられないでしょう」

新築超高級ホテル以上の費用が投入されたという秋篠宮邸。前出の宮内庁関係者は、

「皇嗣という呼称は、歴史的にも一般的にもなじみが薄く、秋篠宮ご夫妻としても苦慮されていると思われます。改修工事への度重なるご注文は、ご新居の絢爛さにより皇嗣の権威を高めたいという紀子さまのお気持ちがあったからなのかもしれません」

前出の小田部さんは“もっと説明が必要だったのでは”と語る。

「秋篠宮ご夫妻が年間にどれだけの賓客を接遇されるのか、職員が具体的にどのくらい増えたのか、などを詳細に説明し、なぜこれだけの大きさの宮邸が必要だったのか、費用が必要となったのかを国民に理解してもらう姿勢を見せれば、ここまで批判の声は上がらなかったのではないでしょうか」

秋篠宮ご一家は今年度中に引っ越しを終えられるという。

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