買い物や旅行に行くたびに増え続けるモノ。モノが部屋に溢れていると毎日の片付けや掃除が大変になり、さらに片付かない、汚れるという悪循環が生まれます。

「筆子ジャーナル」を主宰するミニマリストの筆子さんによると、家にあるモノの中で本当に必要なのは実は2割。あとの8割はガラクタだそうです。

「“物事の結果の8割は2割の原因から生じる”というパレートの法則から、自分が把握できる2割の量だけで暮らせばいいことに気づきました」と話す筆子さん。そうすることで、掃除や片付けが楽になるのはもちろん、モノを探す、選ぶことから解放され時間に余裕ができるように。そのため、ストレスやムダ遣いも減ったそうです。

今回は筆子さんに聞いた、捨てる技術についてお伝えします。

■挫折しない「8割捨て」の実行方法

【1】「8割捨て」を行う理由を明確にする

大切なのは片付けをする理由を明確にすること。「来客時に慌てたくない」、「きれいな部屋で気分良く過ごしたい」などがわかれば、モノを捨てやすくなります。捨てている途中でモノが増えることもあると思いますが、自分ならできると信じることが大事です。

「おしゃれな飾り棚を置きたい」など、理想するゴールをイメージできると継続しやすいと思います。

【2】絶対に捨てられるモノから始める

賞味期限切れのモノ、壊れているモノ、空いたパッケージなど明らかなゴミは、迷うことなく廃棄。意外ととっておきがちなサンプルや無料のモノ、空き箱や空き瓶、ダブっているモノも、思い切って捨てましょう。

【3】捨てるときはワン・ツーでポイッ!

捨てると決めると愛着がわいてしまうこともありますが、感情を持たずに、「つかむ」、「ゴミ袋へ捨てる」のワン・ツーアクションで実行!30秒に1個のペースで、リズムよく捨ててください。

■捨てる場所はプライムゾーンから!

やみくもに「8割捨て」を始めても、なかなか上手くいきません。家の中にはモノやガラクタが溜まりやすい「プライムゾーン」があります。最初はこれらの場所からスタートすると、成果が見えやすくはかどるのでおすすめ!1日15分からでいいので、始めてみましょう。

【1】クローゼット

着ていない服やバッグが眠りがちな場所。1年間使っていないモノ、付録や時代遅れのブランド品、引き出しから溢れているモノは捨てどき。朝どれにしようか悩まない量が目安です。

【2】キッチン

賞味期限切れのモノ、壊れた食器など、比較的捨てるモノの判断がしやすい場所。その他にも棚の中に重ねて置いてある食器、ダブっているカトラリー、箱から溢れている調味料、床に置いてあって掃除の邪魔になっているボトルなどは捨ててしまいましょう。調理の効率も上がり、掃除もしやすくなります。

【3】洗面所

洗面所に溢れがちなタオルは、箱に入る分だけ、よく使うモノだけなど、把握できる量に減らすこと。ついつい多めに買ってしまいがちなストックですが、最低限にすることで棚の中もすっきりします。

使い終わったスプレーやチューブなども放置せずに、すぐ捨てるようにしましょう。

【4】下駄箱

サイズアウトした靴、新しい靴を買ってしばらく履いていない古い靴など、もったいないとついついそのままにしていませんか? 出しっぱなしの靴が多くなればなるほど掃除が大変になるので、靴箱にすっきり収まる量と決めてそれ以外は捨てるべき!

■最後に「8割捨て」を成功させる心得3

【1】売ろうとしない!

捨てることに集中するために処分するときは、捨てる、寄付、譲るのどれかにして、売るを選択肢から外すようにしてください。

【2】捨て方にこだわらない!

いくつか捨て方のコツを伝えましたが、それに縛られすぎるのもNG。「今日は15分の作業ができなかった…」など落ち込まずに、つまずいても切り替えるように!

【3】言い訳をしない!

「いつか使うかも」、「人からもらった」、「高価だったから」などを言い訳にせず、本当に必要なモノか一度しっかり考えてみてください。ちなみに自分以外の家族のモノを捨てるのももめごとになるのでNGです。

捨てられない人の中には、捨てたら後悔するのではと躊躇する人もいます。しかし捨てたモノに執着して後悔していても意味がありません。大切なのは、今あるモノに目を向けること!不要なモノを処分して家事を楽にするだけでなく、心もすっきりさせましょう。

(取材:酒井明子)

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