「長谷川さん演じる主人公は、犯罪の証拠が100%そろっている殺人犯でも無罪を勝ち取る“アンチ”な弁護士役です。演じている長谷川さんも『混乱する』と話すような難しい役です。

意外にも弁護士役は初めてで、『専門用語もあり、少しの数字でも間違えてはいけない緊張感がある』と話していました」(テレビ誌ライター)

4月14日から長谷川博己(47)主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)の放送が始まる。本誌は先日おこなわれた東京高等裁判所でのロケ現場を目撃している。

撮影の準備前、長谷川に一切、笑顔はなく、役づくりに集中している様子だった。共演の北村匠海(26)と堀田真由(26)の撮影シーンを気にかけ、空き時間には笑顔で2人と交流するなど、座長の貫禄もうかがえた。

「長谷川さんは7年前の『小さな巨人』以来、2度目の『日曜劇場』主演となります。『日曜劇場』は“ドラマのTBS”といわれる同局の看板枠として知られ、歴史は一九五六年にまでさかのぼります。

現存するドラマ放送枠では最も歴史があります。当初は1話完結のドラマでしたが、’93年4月から、現在の連続ドラマとなりました。制作費が潤沢なことでも有名で、1話5千万円程度。昨年の『VIVANT』は1話1億円と話題になりました。

主演のキャスティングは局が総力を挙げておこない、出演料もほかのドラマ枠より高額です」(制作関係者)

伝統ある「日曜劇場」で、長谷川のように2度以上、主演を務めた現役の俳優は26人しかいない(連ドラ化以降)。

「主演回数1位は7回の“ミスター日曜劇場”こと木村拓哉さんと田村正和さんです。

この2人は別格でしょう。その次が5回の阿部寛さん。中居正広さんと稲垣吾郎さんが4回で続きます。『半沢直樹』や『下町ロケット』など、大ヒット作が生まれると続編が制作されるケースも多く、その場合は確実に出演料が上積みされます」(前出・制作関係者)

その“選ばれし26人”の出演料リストを本誌は独占入手した。今回の主演・長谷川は200万円の17位タイだった。

■拓哉の主演回数を上回れる役者は?

長谷川を上回る7位タイの250万円には、唐沢寿明(60)、常盤貴子(51)、松本潤(40)、小栗旬(41)、竹野内豊(53)、大沢たかお(56)、香取慎吾(47)など人気役者がズラリと顔をそろえる。

なかでも主演5回の阿部寛(59)と4回の中居正広(51)が目を引く。

「阿部さんは主演作すべてが手堅い視聴率を誇り、失敗知らず。コメディからシリアスまでこなせる貴重な存在です。今後も定期的に主演をお願いする予定と聞き、将来的には主演回数で木村さんを超えるかもしれません。今年還暦を迎えますし、次回作は300万円を超えることになると思います。

『日曜劇場』のスタッフは、中居さんの再登板も期待しています。

今は裏番組『だれかtoなかい』に出演中なので現実的には不可能ですが、病を克服した彼の演技力こそ、今のドラマ界に不可欠でしょう」(前出・制作関係者)

二宮和也(40)主演の『ブラックペアン』が今年7月期の「日曜劇場」に決まったことで、3度目の主演となる二宮も250万円に上がったという。

「旧ジャニーズ事務所から独立したので、制作できるドラマの範囲も広がりました。役者としてさらなる進化が見られるのではないでしょうか」(前出・制作関係者)

5位タイは300万円の役所広司(68)と織田裕二(56)だ。

「役所さんは、基本的には民放の連ドラには出ません。数少ない出演作が『日曜劇場』なのです。

『VIVANT』にも友情出演し、また映画『PERFECT DAYS』がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に選ばれるなど、次回の主演作ではさらに出演料が上がることが予想されます。

織田さんは『世界陸上』でTBSに貢献しています。昨年、テレビ朝日の『シッコウ!!』では、主演の伊藤沙莉さんの“助演”に回って好評だったことから、若い主演俳優を支える役割も期待されます」(前出・制作関係者)

主演回数1位の木村は、2位タイの350万円だった。

「高視聴率作品を連発しており、『グランメゾン東京』も続編が制作されています。これがヒットすれば400万円台に上がるでしょう」(前出・制作関係者)

同じく2位タイが堺雅人(50)と福山雅治(55)だ。前出の制作関係者が続ける。

「堺さんの場合は大河ドラマ『真田丸』(’16年)の主演で民放の出演料が2倍になりました。

歴代の『日曜劇場』でも屈指の人気を誇る『半沢直樹』の主演により、『VIVANT』からトップクラスの出演料となりました。

一方で福山さんはフジテレビ制作の主演作が多く、『日曜劇場』のイメージはありませんが、出演料は高値で安定しています。そんな彼の2度目の主演作『ラストマン』は大泉洋さんとの“バディ”が好評でした。人気シリーズになる気配があります」

栄えある1位は、明石家さんま(68)の1話400万円だった。

「さんまさんは『からくりTV』などの冠バラエティ、そしてドラマでも『男女7人夏物語』『さとうきび畑の唄』で視聴率30%以上をたたき出すなど、TBSを支えてきた功労者の一人です。さんまさんは今月27日に放送されるフジテレビのドラマ『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』に主演します。TBSとしてもまた役者として『日曜劇場』に出演してもらいたいと考えているのです」(前出・制作関係者)

さて、今回の『アンチヒーロー』は長谷川の代表作となるか――。