米の価格が4200円台の現在、米の消費量を減らしていきたい、しかし和食のおかずにあうお米を食べたいという人は多いだろう。そこで、おすすめなのがおかゆ。

近著に『ウー・ウェンの蒸しもの お粥』(高橋書店)がある、「ウー・ウェン クッキングサロン」主宰のウー・ウェンさんにおかゆの魅力を聞いた。

「おかゆは、ご飯よりも水分が多いため、思いのほか食べ応えはあります。また白米に比べて水分が多い中華粥は、満足感があるのにカロリーが抑えられるのが特徴。体重調整にも役立ちます。

さらに北京式の中華粥は塩味をつけません。日本のご飯と同じく、いろいろなおかずを取り合わせられるので、毎日の食卓に上がっても飽きることがありません。これから暑くなる季節は熱中症予防として小まめな水分補給が大事ですが、食事から水分を補うことも。中華粥なら食欲が減退した暑い時期でも無理なく水分を補うことができるのです」(ウーさん)

中華粥の健康効果について、総合内科医で秋津医院の秋津壽男院長がこう語る。

「離乳食や病人食のイメージがあるおかゆは、カロリーも控えめで消化吸収がよく、また粘度があり、なかなか冷めないので体を温める効果も。その結果、免疫力や代謝が上がります。健康な人こそおかゆを食べたほうがいいのですが、日本ではおかゆのおかずの定番は梅干し。これでは炭水化物が多く、栄養が偏ります。

とくに60代半ばを過ぎると、炭水化物だけでなく、寝たきりを予防するために筋肉を維持するタンパク質をしっかりとることが大事。高タンパク群(1日の総摂取カロリーに占めるタンパク質摂取20%以上)の人は、がんになる確率や死亡率も下がるという報告も。中華粥ならば、ふだんのおかずでタンパク質をとったり、アレンジしてタンパク質をプラスしたりすることも可能です」

そこでウーさんに「鶏肉の中華粥」「中華風小豆のおかゆ」を紹介してもらった。

「鶏肉の中でもタンパク質が多いささみを使った優しい味わいの中華粥は、この1品でも栄養のバランスがしっかりとれます。

またタンパク質が多い小豆には、体を温め、血液の循環をよくする効果も。冷房や冷たい飲み物で体が冷えてしまうこれからの季節に食べてほしいです」

米の高騰でダメージを受けた心身と家計には、中華粥の優しい味わいが有効なようだ。

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