TPOに合わせて、パールの大きさや長さ、色、粒の数を使い分け、印象を変化させている皇室の方々。ファッション評論家の石原裕子さんにその流儀を解説してもらった。

まず、皇室のパール使いには英国王室が大きな影響を与えているという。

「英国王室は、お祝い事から喪に服す際のモーニングジュエリーにまでパールを用いており、それをお手本として、日本の皇室でも使われるようになったと思われます。特にエリザベス女王はパールがお好きで、日本を訪れた際にはミキモト真珠島に立ち寄られ、その折に日本政府から贈られたパールを愛用されていました。

また、喪服には黒真珠を使うことも多いですが、エリザベス女王の葬儀に参列された雅子さまがロンドンでお召しになっていたアクセサリーはジェットでした。希少性の高い樹木の化石で、英王室ではビクトリア女王が夫のアルバート公を亡くして以来、20年にわたり身につけていたことから、喪装用に使うモーニングジュエリーとして定着しました」(前出・石原さん)

そして、パールの大きさや長さには、皇室の方々の個性が表れているという。

「お若い皇族方は標準的な8~8.5mm程度のものを中心に、雅子さまや妃殿下方は10mm程度の大きなものを、と年を重ねるにつれ大きめのパールをお使いになっていらっしゃるのです。今の若い女性は、以前はやっていた7~7.5mmよりも大きな8mmくらいのパールを求めていて、愛子さまはその流行にも合わせられているのでしょう。それと同時に、用い方は雅子さまをお手本にされています。

ネックレスの場合だと、格式を求める場には大ぶりなもの、そして長めのもので落ち着きのある雰囲気を出されています。一方、愛子さま、佳子さまは、かわいらしさのある40cmくらいの首回りに沿った長さを好まれているようです」(前出・石原さん)

実際、6月4、5日の沖縄ご訪問では頭からつま先までそっくりなリンクコーデをされた雅子さまと愛子さまだが、パールに注目すると、雅子さまは大きめの粒で少し長めのネックレス、愛子さまは小粒パールの短めネックレスを選ばれていることがわかる。

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