7月3日公示、20日投開票の参院選。前哨戦と位置付けられた6月22日の東京都議選では、各党の代表が演説に駆けつけるなど熱気を帯びた選挙戦が展開され、自民党が都議会第一党から陥落、一方で新興勢力が初議席を獲得するなど、2つの選挙が重なる12年に一度の「選挙イヤー」は波乱のスタートを切った。
国政の場でも“新しい風”が吹くことになるのか。そこで本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」にて、全国の18~64歳の現役世代の男女1000人に対し、参院選を前に「期待できる政党」「期待できない政党」についてアンケートを実施。本稿では「期待できる政党」の結果を紹介する。
第4位に選ばれたのは国民民主党。6月11日には、比例代表で擁立予定だった山尾志桜里元衆院議員の「公認取り消し」騒動で、党代表・玉木雄一郎氏(56)をはじめとする執行部の方針が物議を醸しながらも、東京都議選では9議席を獲得し、都議会初進出の躍進を果たしていた。参院選では、同党が掲げる「手取りを増やす政策」に期待する声が多かった。
そんな国民民主を抑えて第3位に入ったのは、参政党だ。こちらも初挑戦となる東京都議選で候補者4人中3人が当選を果たした。そのほか、6月中に行われた愛知・西尾市、兵庫・尼崎市、福井・あわら市の市議選でも、同党の候補者がトップ当選を果たすなど勢いがあり、元日本維新の会所属で、無所属で活動していた梅村みずほ参院議員(46)が28日付で入党したことで、国会議員を5人以上必要とする公職選挙法上の政党要件も満たすことになった。
同党が掲げるキャッチフレーズは「日本人ファースト」だ。保守的な価値観、“過度な外国人受け入れの反対”などを訴える反グローバリズム的な党の方針、消費税の段階的な廃止といった政策を評価する声が多いほか、党の代表を務める神谷宗幣参院議員(47)が6月23日の会見で「インターネット上で認知度を高めることができた」と語ったように、近頃はSNSでも目にする機会が増えたことも、支持を集める要因となっているようだ。
《日本ファーストにして少しでも良い方向に導いてほしいので》(60代女性)
《減税・選択的夫婦別姓反対・移民問題について日本人のための政策であり、賛成できることが多い》(40代女性)
《最近よくYouTubeのトップ画面に出てくるようになったから》(30代女性)
《日本人が内面で思って居る事、不満などを表立って声にしてくれていること》(30代男性)
第2位は立憲民主党。
このような重点政策を評価する声も多かったが、一方で、衆参両院で最大野党という現実的に与党に対抗できる立場や、民主党時代に首相経験がある野田佳彦衆院議員(68)が党を率いている点に期待する声も多く見られた。
《現在の与党に鉄槌をくらわせるために最大野党として政権交代を取ってもらう礎にしてほしいからです》(50代男性)
《総理経験者の野田代表のリーダーシップ》(60代男性)
《一番、現実的に自民党に対抗できそうだから》(50代女性)
《打倒自民で頑張ってほしいから》(40代男性)
そして、第1位は自民党だ。野党がほぼ横並びで「消費税減税」を訴えるなか、石破茂首相(68)は社会保障の財源確保の観点から否定的で、国民一人当たり2万円の現金給付などを打ち出している。こうした姿勢に世間では否定的な声も広がるが、それでも一定の支持を得た背景には、これまで政権を維持してきた実務能力を評価する声や、“消去法”的な声が見られた。
《外交、安全保障など政権担当能力は自民党にしか期待できない》(60代男性)
《一時、他の党に期待していたが、やはり今後の事を考えると1番国民の事を考えた行動していると思うから。他の党の殆どは「その財源何処から出すつもり?」と疑問に思う点が多い》(50代女性)
《現在の政党で、政権担当能力があるのが自民党だと思う》(60代男性)
《ほかの党が信用できないという消極的理由》(50代男性)
また、米価格の高騰に多くの国民がフラストレーションをため込む中、小泉進次郎農林水産大臣が5月に始めた「随意契約」による政府備蓄米の放出で、価格が徐々に値下がりしている現状をめぐって、《コメ問題における小泉進次郎農相の活躍》(50代男性)、《米不足への解決に取り組んでいる》(50代女性)、《小泉進次郎の備蓄米流通の手際が見事だった余韻がまだあるので》(50代男性)と評価する声もあった。
とはいえ、アンケートで最も得票数を獲得した項目は「あてはまる党がない」だった。自民党一部議員の裏金問題など、国民の政治不信はかつてないほど高まっている。そんななか迎える参院選の結末は――。