6月21日に放送スタートした綾瀬はるか(40)主演のドラマ『ひとりでしにたい』(NHK)。漫画家・カレー沢薫氏による同名漫画を原作としたドラマで、主人公が伯母の孤独死をきっかけに終活について考える姿を描いた“社会派コメディ”だ。
「綾瀬さんが演じるのは、仕事とアイドルの推し活を中心とした生活を送る39歳の独身女性。婚活に挑戦するも思うようにいかず、ひとりで人生を終えることに正面から向き合っていく姿がコミカルに描かれています。全6話ながらも國村隼さん(69)や松坂慶子さん(72)など豪華キャスト陣が脇を固めており、放送開始から話題を呼んでいます」(ドラマ誌ライター)
将来の不安と対峙するドラマの内容に、“自分事”として捉える視聴者も多いようだ。まだ2話までしか放送されていないが、Xでは一時トレンド入りするなど共感する声が相次いでいる。
《孤独死、親の介護、終活…どれも本当に考えさせられるし、セリフが心に深く刺さる。そして推しへの圧倒的感謝…もう共感しかない》
《身につまされる内容なのに綾瀬はるかちゃんがいろいろサイコーすぎて面白すぎる》
《ここまで「勉強になるぅ」と「身につまされるぅ」で情緒ぐちゃぐちゃになるドラマ、初めてです》
6月30日にはNHKの公式サイトで、「NHKプラス」での初回放送の視聴数が全ドラマ(連続テレビ小説・大河ドラマを除く)で歴代最高記録を更新したとの発表もあった。
放送開始と同時に好発進を見せている本作だが、感想をXで呟く視聴者の間では“ある珍事”もあったようだ。
それは、Xで「#ひとりでしにたい」とハッシュタグ検索をすると、《あなたの思いをそのまま聞かせて》の一文とともに東京都自殺防止センターのアカウントとホットラインが表示されるというもの。このハッシュタグはNHKドラマのX公式アカウントでも使用されているが、実際に検索をかけてみるとホットラインが出る仕様になっており、驚いた人もいたようだ。
《このハッシュタグを入れるとXが変な反応をする》《検索するとXから心配されるの草》といった声や、《ハッシュタグ代わりのワードが必要でしょうね》《何か他のハッシュタグを考えてほしいな》と求める声もあった。
「Xの前身となる旧Twitterでは、’18年からから自傷・自殺行為に関連したコンテンツを機械が検知する仕組みが導入されました。現在のXでも“自殺や自傷行為を助長・推奨することはできない”として、ユーザーを保護するポリシーを掲げています。
“死ぬためによりよく生きる”というドラマのテーマとはずれた現象だが、視聴者の反応を受けてハッシュタグが変更される可能性はあるだろうか? 本誌が7月2日にNHKを取材すると、同日夕方に広報局から文書で次の回答があった。
「『ひとりでしにたい』というタイトルは原作と同じのものをドラマでも使用しています。番組タイトルですので、ハッシュタグワードを変更する予定はございません」
前出のドラマ誌ライターは言う。
「原作者のカレー沢さんは担当編集者から“描きたいものを描いて”と言われ、“将来に対する漠然とした不安”をテーマにした漫画を描きたいと思い至ったそうです。また、ドラマ化にあたり、綾瀬さんも《原作を読んでやりたい!と思いました。『ひとりでしにたい』というタイトルは自分らしくありたいという思いを感じました》と明かしています。
老いや死は誰しもが直面する課題ですが、ドラマでは悲観的に捉えるのではなく、前向きに人生を歩もうとする主人公の姿が描かれています。『#ひとりでしにたい』というハッシュタグは、字面だけだとセンシティブに感じるかもしれません。ですがドラマ終了後には、綾瀬さんのように“ポジティブワード”として受け止める視聴者が増えるのではないでしょうか」
ハッシュタグに驚いた人もいたようだが、それ以上にドラマへの期待値の方が高そうだ。