食料品や日用品の物価高騰が続くなか、東京海上日動火災保険は、10月から自動車保険を平均8.5%値上げすると発表しました。
これは比較可能な2008年以降で最大の改定率です。
三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険も、2025年1月に2年連続となる値上げを行っています。損保ジャパンは旧ビッグモーターの問題があったので2024年は見送りましたが、2025年1月に5%の値上げを実施。そのうえで3社とも、今年度中の再値上げを検討しているようです。
これほど値上げが続く要因は2つあります。1つは事故や修理件数の上昇です。コロナ禍が収束して交通量が回復し、交通事故数は高止まりの状態です。また、豪雨災害などの被害を受け修理も増加。保険金の支払いが増えています。
もう1つは修理費用の上昇です。衝突防止ブレーキなどを搭載した高性能な車の修理費は高額化し、修理に関わる人件費も高騰しています。損害保険料の元になる基準料率を算定する「損害保険料率算出機構」によると、2021年度から2023年度の2年間で、フロントガラスは部品費が7.1%、工賃が2.8%、ヘッドライトは部品費が16.1%、工賃が2.1%上がりました。
■走行距離の短い、安全運転の方の保険料は安くなる
ただマイカー保有者にとって自動車保険は絶対に必要な固定費です。値上げを「仕方ない」などと受け入れられません。少しでも安く抑える方法を考えてみましょう。
まず、対面契約の方はネット保険に替えましょう。現在と同じ契約内容でWEB見積もりを行い、保険料の安い保険会社を選ぶといいでしょう。事故率の低い40代・50代の保険料が安い保険会社や、“WEB申し込みで保険料2万円引き”というネット保険も。
次に、車に設置した車載器で走行距離や運転速度、ブレーキのかけ方などを計測し、事故リスクを分析して保険料を算定する「テレマティクス保険」を活用しましょう。走行距離の短い方や安全運転の方の保険料が安くなります。
さらに、保険の補償対象を見直しましょう。補償対象者を契約者本人だけ、本人と配偶者だけに限定すれば保険料が安くなります。
「お盆に子どもが帰省して運転するから」と補償対象を広げておく方がいますが、年に数日しか運転しない方には「1日保険」を活用してもらいましょう。
次の契約更新は、余裕をもって保険の乗り換えを検討してください。また、軽自動車に買い替えようか、そもそもマイカーは必要だろうかなど、現在の利用状況を見直す機会にするといいでしょう。