日も暮れた後も蒸し暑い伊豆急下田駅。奉迎のために数多くの市民が集まっている。

天皇陛下と雅子さま、愛子さまのお姿が見えると、6年ぶりの“再会”とあって、盛大な歓声が響き渡った。

夏までのお疲れを癒すため、8月1日から須崎御用邸での静養に入られていた天皇ご一家だが、愛子さまは秋の“大任”に向けたご準備に余念がないようだ。

宮内庁関係者は、

「11月のラオスご訪問が発表されて以降、愛子さまは同国を担当する外務省の職員などに話を聞いたり、集められた資料を熱心にチェックされているそうです。

また天皇陛下は2012年に訪問されていますが、当時の資料もまだ保管されているようで、愛子さまもレクチャーを受けられていると伺っています。ご静養先にも資料を持ち込んで読まれているはずです。

愛子さまにとっては初めての外国公式訪問となります。今回の旅が、両陛下やご自身、そして日本にとってどのような意味があるのか、連日深くお考えになっているようにお見受けしています」

日本とラオスの外交関係樹立70周年を記念し、日本との友好親善をより深めるために熟考されている愛子さま。しかし華々しい公式訪問デビューを前に、同国で日本人の許しがたい“蛮行”が問題になっているのだ。

「近年、ラオスの首都・ビエンチャンを、多数の日本人が児童買春を目的に訪れている実態が明らかになってきています。また、小学生や中学生くらいの少女を買春したことを示唆するSNS上の投稿も相次いでいました。

6月に入り、現地在住の日本人女性が買春の撲滅を求める2万5千筆以上の署名を集めて大使館に提出。在ラオス日本大使館は6月17日に“注意喚起”として、日本でもラオスでも児童買春は処罰の対象になること、国外犯であっても積極的に捜査を行うといった警告を発信したのです」(全国紙国際部記者)

ラオスは東南アジア諸国のなかで経済成長が遅く、アジアの「最貧国」の一つとされてきた。

昨今は中国の活発な投資で発展してきたが、コロナ禍以降は再び貧困に苦しむ人々が増えているという。

「人身売買が横行し、児童が売春に従事させられる現状は、そうした国内事情も影響していると指摘されています。

もし愛子さまがご滞在中に、日本人による買春が報じられたり、さらに邦人が逮捕されるようなことがあれば、せっかくの親善に水を差すばかりでなく、ラオス国民の対日感情が悪化しかねません。

外務省がこうした買春への注意喚起を行うことは珍しく、愛子さまのご訪問に先立って環境を整えるという“露払い”ともいえるでしょう」(皇室担当記者)

人々の貧しさに付け込む卑劣な日本人の存在に、愛子さまも心を痛められていた。

「日本人による児童買春が横行しているという現実に、愛子さまはご心痛はおろか、憤りすら感じていらっしゃると伺いました。ご訪問前に関係機関が買春客の摘発に動き出すことで、“訪問を契機に搾取される子供たちが救われるのなら”と、前向きに捉えておられているかもしれません。さらに現地では、貧しい子供たちを保護する施設などのご訪問も検討されているそうです」(前出・宮内庁関係者)

■ラオスの子供支援に尽力していた高嶋ちさ子

そしていま、“ラオスの子供たちを救う”という使命を胸にご準備を進めているという愛子さまにとって、心強い“援軍”が随行する可能性も浮上していると、前出の皇室担当記者は明かす。

「じつは、バイオリニストの高嶋ちさ子さんに、“ラオスでの一部の日程に案内役をお願いしては”という声が政府内で上がっています。高嶋さんは、息子さんが発起人となって設立されたNPO法人『ブライト・フューチャー』の活動を通じ、同国を訪問して小学校で音楽の合奏、リコーダーなど楽器の寄贈を行ってきたのです。

こうした地道な支援はJICA(国際協力機構)とも連携しており、外務省内でも声望が高く、昨年12月に高嶋さんは『日・ラオス外交関係樹立70周年』親善大使に任命されています」

これまでも芸能人が皇室の国際親善のために尽力した前例はある。長年ベトナムの教育や医療、福祉分野に十数億円もの私財を投じて支援してきた俳優の杉良太郎が、2009年に天皇陛下、2017年には上皇ご夫妻のベトナムご訪問に随行し、案内役を務めているのだ。

「杉さんについては、支援活動が両陛下や上皇ご夫妻から高く評価されていたからこそ、案内役を任された経緯がありました。

高嶋さんの随行についても、十分に実現する環境は整っていると思います」(前出・皇室担当記者)

そしてラオスご訪問は愛子さまの飛躍を加速する契機となるはずだと、長年皇室番組を手がける放送作家のつげのり子さんは語る。

「ラオス国民の平均年齢は20代前半で推移しており、愛子さまと同世代の若い人が数多く暮らす国でもあります。両国の将来を担う世代がお互いの国の魅力を知っていくうえで、11月の愛子さまご訪問は大きな意義があるのです。

そして愛子さまにとってのラオスご訪問は、今後さまざまな国を訪問し、多様な文化、伝統、習俗に出合い、コミュニケーションを磨かれていく端緒となります。こうしたご経験を生かし、愛子さまは皇室の国際親善に多大な貢献をされていくことになるでしょう」

虐げられている子供たちを救うという使命を果たすため、愛子さまは訪問するその日まで、真摯に努力を重ねられていく――。

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