「伊藤蘭さん(70)は、娘の趣里さん(34)が幸せになれると思ったから『授かり婚』を祝い、応援してきたのだと思います」
こう話すのは、夫婦再生カウンセラーの竹内美土璃さんだ。
女優・趣里が8月29日、「BE:FIRST」の三山凌輝(26、活動休止中)と“授かり婚”を発表。
母の伊藤は「心からおめでとう、母はずっと見守っていました」とインスタグラムでコメントした。
しかし、父・水谷豊(73)は、今後もし三山に浮気などの女性トラブルが起きても、「絶対に助けないからね」と趣里には伝えたという。
「母親は『娘が幸せになれるなら授かり婚でもいい』と思うもの。ところが父親は内心『息子として認めていない』ことも多い。そしていざ、義理の息子の浮気が発覚したり、離婚などとなると『渋々認めていただけだ』と言い出すケースもあります」(竹内さん)
そんな父と母、親と子の対立は思わぬ“家族崩壊”を呼ぶ恐れがある。
凄絶な衝突が起こった5つの家族を取材した――。
■事例(1)
田中好美さん(58歳・仮名)
当時24歳だった一人娘が、ひと回りも年上の会社経営者との子どもを妊娠しました。ウチの主人は高学歴で、一流企業に長く勤務、収入も安定しており、私は専業主婦として過ごしてきました。
お相手の男性社長の職種はIT系でベンチャー。独身というものの、バツイチだそうです。「経営の浮き沈みが激しいに違いない。高卒ってのも気に入らないな」と主人も言いました。
しかし長女はかたくなで、けんか腰の話し合いも平行線のまま、長女は結局、出産して既成事実を作り、結婚してしまいました。
その子は、私たち夫婦にとって初めての孫。「孫の顔が見たい」と伝えると、長女から「アンタたちはこの子を殺そうとした。人殺しになんか絶対に会わせない!」と罵倒されてしまったんです。
あれ以来、8年近くがたちますが、孫には一度も会えていません。
■事例(2)
藤村美結さん(27歳・仮名)
私は大学時代、先輩で社会人になっていた彼氏との子を妊娠しました。彼は入社2年目でしたが「結婚しよう」と言ってくれました。
親に話しに行くと、父が「絶対に許さん。結婚もダメだ」と認めてくれません。後日、連れていった彼をも罵りました。「ウチの娘の人生を台なしにしやがって!」と。
私は1Kのマンションから結婚生活を始め、無事に女児を出産。その後、保育園に預けてパートを始めたんですが、2人で手取り30万円未満の苦しい生活でした。
母が何度か手伝いに来ましたが、父には内緒と言っていました。金銭的な援助も禁じられていると。
結局、私は結婚5年で離婚し、その後はシングルマザーに。でも世間体を気にする父は、家に戻ることを許しませんでした。母もさすがに、父の性格に嫌気がさしてきたようで、最近「離婚して女三代で暮らそうか」なんて話しています。
■事例(3)
吉沢理恵さん(54歳・仮名)
新社会人の一人息子が8歳上の女性(32)をウチに連れてきて「結婚したい」と言ったのは去年のことでした。彼女は社会人生活10年で男性の扱いにも慣れている様子。対してコロナ禍の学生時代を過ごした息子は、コンパも男女交際もまともにしたことがなかった。
そんな息子が「彼女のおなかには、新しい命が宿っているんだ」と言うんです。私は「この女にだまされている」と直感しました。
夫は雷を落としてくれると思っていたんですが、なんと「でかしたぞ!」と言わんばかりに歓迎しているではありませんか。
夫は家事・育児を一切せず外面だけいいような人間。息子を育てたのは私で、精いっぱいこの結婚に反対しましたが、多勢に無勢でした。
孫は無事に生まれ、息子夫婦がたまに顔を見せに来ますが、私は、「愛する息子が奪われてしまった!」という絶望しかありません。夫にその思いを打ち明けても、取り合ってくれません。いま2人暮らしのマンションでは会話ひとつない日もあります。
■事例(4)
池上優也さん(57歳・仮名)
僕は仕事のうえに育児もしてきたつもりです。共働きでしたので、長女の保育園の送り迎えも、週に何回かしてきました。
ところが箱入り娘の長女が28歳になって初めて彼氏を連れてきました。娘より3歳下で俳優志望のフリーターだといいます。
そしてなんと「妊娠してるの。結婚しようと思う」などと娘が言うんです。彼は収入もろくにないのに……。
よく聞いてみると、娘は小遣いも渡していたそうです。まるでヒモですよ、しかも妊娠までさせられて。それでも妻と「娘を信じよう」と話し、結婚を黙認しました。
ところがこの男は、最近、妻に取り入ろうとなにかと声をかけてきます。妻の接骨院の送迎も「僕が行きましょうか?」などと言い、妻は妻でまんざらでもない様子。
僕は「まじめに正直に生きてきた結果がこれか……」と、むなしさをおぼえています。
■事例(5)
小松菜穂さん(27歳・仮名)
私は飲食店経営の男性に引かれました。話は面白く、笑顔が人懐っこい。自然と男女の付き合いとなりました。
妊娠中に、初めて手を上げられました。長男を出産後は、蹴りも入れられました。彼はひどいDV男だったんです。両親は激怒して、実家に連れ戻そうとしましたが、彼は泣いて「心を入れ替えます」と。父は「こんな男は約束を破る」と言いましたが、私はまた、信じてしまったんです……。
結局、彼のモラハラ体質は変わらず、離婚して実家に戻り、両親と息子の4人で暮らしています。
いま、初めて親のありがたみがわかりました。
■授かり婚は子の幸せを考え応援すること
子どもに「授かり婚をしたい」と言われたら、親はどう対応すればいいのか? 前出の竹内さんは言う。
「とにかくお子さんの幸せを考え、応援すること。
夫婦で意見が違った場合は?
「共通の宝物は子ども、と認識しましょう。自分優先になるとパートナーへの長年の不満が出てしまいます。夫婦間でもよく話し合うことです」(竹内さん)
愛情をもっての“話し合い”こそ、家族を守る秘訣なのだ。