元YouTuberで現在は奈良市議会議員を務めるへずまりゅう氏(34)。Xでは73万人ものフォロワーを抱え、その発信が何かと話題になることも多い同氏だが、ある“告発”が波紋を呼んでいる。

11月2日、へずま氏は【拡散希望】という書き出しで、Xにこう綴った。

《共産党が公職選挙法違反をしています。 証紙のないビラを候補者と支援者が配り看板を出しています。 こんな法律違反を堂々とする党が日本に必要ですか? 高市さんの悪口を平気で言い日本人より中国人を優先する党はいらんでしょ。 警察に通報しました。》

投稿には、JR新小岩駅北口の駅前広場と思われる場所で、ビラのような配布物を手にするへずま氏の写真も添えられていた。ビラには、「医療費4兆円削減」「裏金議員復権」など、高市政権の方針に反対する政治的主張が記され、「11/9葛飾の選択で日本共産党に託してください」というメッセージも書かれていた。またへずま氏の背後に写る看板には、「戦争させない外交」と書かれた看板も置かれていた。

また3日には、葛飾区議選に出馬する共産党候補者と共産党の田村智子委員長の顔写真が入ったポスターが貼られた看板が路上に置かれた写真を投稿した上で、《共産党完全にアウト! 顔写真や候補者名が載った看板は公職選挙法違反です。 堂々と違法行為を繰り返すような党は解体させるべきだ》とも指摘していた。

選挙期間中は候補者の名前や顔写真、キャチフレーズなどが入った選挙用のビラには証紙を貼ることが法律で定められている。へずま氏としては、11月2日に告示され、9日投開票の東京都葛飾区議会議員選挙で、共産党の候補者が公職選挙法違反をしていることを訴えたかったようだ。

しかし、へずま氏の投稿には誤情報拡散を防止する機能のコミュニティーノートが付けられており、問題とされる配布物は、候補者の名前等のある選挙ビラではなく、政党の機関紙であると指摘。選挙期間中は、証紙の貼ってある法定ビラのほかにも、政党・政治団体の新聞紙や雑誌は配布することができると、公職選挙法第201条15に規定されていることも指摘している。

そのため、へずま氏の2日の指摘については事実に基づかないとして、X上では批判の声が寄せられた。

《議員のくせに公選法も理解していないのか……》
《ポストするんなら、もっともっと勉強してから言いなさい》
《議員のくせに法律も正しく知らず、デマで悪口を広めてるんですか?》
《デマで攻撃するのダサいよ。嘘で民主主義を貶める議員は日本に必要ないですね》

そこで、実際のところ、へずま氏が指摘した配布物は何であったのか、また、へずま氏の《警察に通報した》との投稿の事実を裏付けるようなことはあったかなどを、共産党に聞いたところ広報部の担当者は現場に確認した上で次のように説明した。

「配布物は、共産党が発行している地域向けの機関紙 『葛飾民報』の10月号外です。日本共産党の政治的見解が報道されているもので、選挙についての報道は一切していません。

ですから、選挙期間中であっても自由に配布できるもので、証紙をつける必要もなく、何ら問題ありません。なので、警察や選挙管理委員会から地元の共産党や候補者への連絡も一切ありません」

一方で、へずま氏が3日に指摘した看板については、一部問題があったことは認めた。

「へずま氏の写真にあった『戦争させない外交』の看板については、政策や要求が書かれたプラスター(宣伝用の掲示物)のことだという風に思われますが、これは誰でも自由にできる政治活動なので問題ないと思います。

ただ、もう1つ指摘があった中で、一部の候補者が名前や顔写真が入った、いわゆる”連名ポスター”を間違って使ったことがあったので、『これはもう直ちにまずいからやめなさい』ということで、もうやめておりますから、今は是正されております。というのが事実関係ですので、選挙違反ということは全くないです」

公職者であるへずま氏が、選挙期間中に事実に基づかない指摘を拡散したことについては次のように見解を述べた。

「当然のことながら、へずま氏は外国人を攻撃的に排除しようとする言動やヘイトスピーチを繰り返しやっており、多くの人からも批判を受けてる方です。ですから、デマによって公党を批判するっていうことはあってはならないという風に思いますので、厳しく抗議したいということです」

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