今年9月4日に惜しまれつつ亡くなった昭和のスター歌手・橋幸夫さん(享年82)。

東京・文京区の無量山傳通院で営まれた通夜・告別式には、橋さんと親交が深かった著名人や一般のファンなど、合わせて約1300人が参列した。

「‘23年5月に一度歌手活動の引退を発表するも’24年4月に撤回。『死ぬまで歌う』と決意を見せていたのですが、今年5月にアルツハイマー型認知症を患っていることが、橋さんが所属する『夢グループ』の石田重廣社長から公表されました。

その後はコンサートにも出演したのですが、公演後に自宅から救急搬送。一度はステージに復帰したものの、6月に再入院することに。入院中は妻の真由美さんが付きっきりで看病し、硬直した足をマッサージしたり、寝たきりの橋さんの体をこまめに拭くなどしていたそうです」(スポーツ紙記者)

今月で橋さんの逝去から3カ月が経過する。石田社長に近況を聞くと、意外な話が飛び出した。

「橋さんの妻・真由美さんが『夢グループ』の社員になったのです」

橋さんは、‘17年に47年間連れ添った前妻と離婚し、翌年に18歳年下で元看護師の真由美さんと再婚している。

「橋さんが亡くなり、奥様と今後のことを話したときに“こうしておけばよかったな”といった後悔がたくさんあったというのです。奥様が“橋さんとの果たせなかった思いを実現する仕事をしていきたい”というので、『ぜひお願いいたします』と承諾させていただきました。

今後、奥様には、橋さんの後進ユニットの『二代目橋幸夫 yH2』と一緒に全国を回っていただこうと考えています。『yH2』のマネージャーとしてのみならず、真由美さんに橋さんのエピソードや介護の様子についてトークショーのように話してもらうという企画も考えられます。それが、橋さんが最後まで心配していた奥様のためにもなると思うのです」

橋さんには離婚した前妻とのあいだに長女・Nさんがいる。

本誌は’98年、都内の老人ホームで介護士として働くNさんを取材していた。彼女が介護士を目指したきっかけが、高校1年生のときに当時橋さんの実母が入居していた介護施設を訪れたことだった。

その後、前妻と離婚してすぐに再婚した橋さんに対し、Nさんは複雑な気持ちを抱いていたという。葬儀にも、前妻とNさんは姿を見せていなかったようだ。

橋さんの家族に関して石田社長に取材すると、以下のように答えた。

「この問題については僕が口出しをする権利はありませんが……。ひとつ言えるのは、(前妻の)娘さんや息子さん、そして今の奥様の全員が仲良くなっていただくのが一番だと思っています。それを唯一できるのは立場的にも僕しかいないため、家族の問題に関しても橋さんの遺志をしっかりと引き継いでいきたいと思います」

橋さんも笑顔で見守っていることだろう――。

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