「ごぼうの2大成分はサポニンとイヌリンです。サポニンとは、皮に含まれているアンチエイジングの特効薬で、ポリフェノールの一種。
そう熱くごぼうの効用を語るのは、乳がん専門医でありながら若返り健康法でも有名な南雲吉則先生(61)。秋の食卓に欠かせない、名脇役のごぼう。だが、その効用は超主役クラスだという。特にサポニンの効用は、列挙しきれないほど素晴らしい。
「サポニンには強力な抗酸化作用があるので、老化の原因である活性酸素を除去してくれます。衰えた肌の修復力を高めて肌を若返らせ、肌荒れやシミの改善、皮脂の過剰分泌抑制、毛穴の縮小など、その美肌効果は絶大です」(南雲先生・以下同)
血管の健康にも一役買う。毛管の酸化を防止して血管内のコレステロールを分解除去したり、創傷治癒効果で傷を改善したりするため、脳卒中や心臓病の予防効果もある。
「サポニンのもっともうれしい効能の1つに、がん予防があります。がんの原因は粘膜にできた慢性の傷や炎症なので、がんになる前にサポニンを継続的に取り、傷を修復することが予防につながります。ほかにも、アトピーやじんましん、花粉症などのアレルギーの改善も期待でき、防菌防虫作用が免疫力アップを促し、風邪予防にもつながる。
ごぼうは古来、漢方薬として使われており、朝鮮人参に並ぶ万能薬ともいわれるほど栄養価が高い。ほかにもサポニンの効用を上げると……創傷治癒作用による動脈硬化の改善、高血圧の改善。血小板の働きが抑えられて血のめぐりがよくなるため、冷え性改善、血液サラサラ効果、滋養強壮作用。さらに、体臭、口臭の抑制作用もある。
「もう1つの実力者・イヌリンは水溶性食物繊維で、ムコ多糖類の一種。水分を吸収する吸水性ポリマーの働きをするため、乾燥した土の中でもたっぷり水分をためて成長できます。余分な水分を吸収してくれるのでむくみ改善効果、利尿作用があります」
ごぼうの効能としてよく知られている便秘の改善も、イヌリンのパワーによる。
「悪玉菌の繁殖を抑えて、腸内で乳酸菌などの善玉菌を増やすなど、腸内環境を整える働きがあります。イヌリンに加え、不溶性食物繊維のリグニン、セルロースが便を軟らかくして排便を促し、腸内環境を改善するので、大腸がん予防にも。この3つがブドウ糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を防ぐため、糖尿病予防にもつながります」
ほかにも、利尿作用の高いカリウム、善玉菌のエサとなるオリゴ糖、でんぷん分解酵素のアミラーゼなどを含むごぼう。日本人なら、毎日食べなきゃもったいない!
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