その結果、想像もしない理不尽な理由で次男が差別されていたことを知り、仰天しました。
初孫の面倒を見てくれる義父母に助けられた

ところが、次男が大きくなるにつれ、義父との関係性に悩むようになったのです。由美子は義母と仲が良く、定期的に家族みんなで夫の実家を訪れていました。
「義母は『うちで休んで』と、いつもご飯を作ってくれました。子どもを授かる前からそんな関係性でしたので、息子が生まれてからも月に2~3回くらいは夫の実家へ行き、一緒にご飯を食べていました」
義父母は長男と遊んでもくれ、由美子さんは束の間の休息が得られていました。
次男にだけ厳しい言葉をかける義父

「ビックリしました。ただ、私が目を離した時に次男が怒られる原因が何かあったのかなとも思ったので、ひとまず『目を離してごめんなさい』と謝りました」
由美子さんの謝罪により、その場は収まりましたが、その後も息子たちを連れて義父母の家へ行くと、義父はなぜか次男にだけ厳しい言葉を向けたそう。義母が作る食事も長男には「たくさん食べなさい」と笑顔で進めるのに、次男には「みんなが食べる分を考えてから食べなさい」と言うなど、次男への当たりが強いのがわかります。
また、大人だけで会話をしている時にも「○○(次男)くんの目つきは子どもっぽくない」や「○○くん(長男)よりも腹黒そうだ」など、次男を下げる発言が……。
「義母にたしなめられると義父は黙りましたが、私はそういう言葉を聞くのが嫌でたまりませんでした」
義父が語った「次男をかわいがらない理由」が衝撃的すぎる…

このままでは次男が可哀想。そう思った由美子さんは、夫に相談。なぜ、次男にだけ厳しい態度を取るのか、それとなく義父に聞いてもらうことにしたのです。
「用事を無理やり作って、夫ひとりで義父母の家へ行ってもらいました。親子水入らずだからこそ話せることもあると思ったので……」
その後、旦那さんは怒った表情で帰宅。憤りながら、義父が次男にだけ冷たい理由を話し始めました。
「義父は、次男の顔が私の家系寄りだったことが不満だったみたい。長男はたしかに夫の家系だなと思える顔立ち。自分の血筋を感じる部分があるので親近感が湧いてかわいく思えたみたいです。
まさか、“生まれ持った顔”というどうにもできない理由で次男が差別されていたとは……。衝撃を受けた由美子さんは夫と一緒に、その場で話を聞いていた義母に連絡。義父に態度を改めてほしいと伝えてもらいました。
しかし、義父は逆ギレ。突然、電話がかかって来て「俺が建てた家に来るなら俺がルールだろ! 文句があるならもう来るな」と言われました。
「それ以降、夫の実家には行かなくなりました。義母は息子たちに会いたい時、我が家へ来ています」
自分の家系を感じさせる顔立ちをした孫だけを愛す義父。そんな小さなこだわりで差別される子どもの悲しさに気づいてほしいものです。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291