「私ははどうやって生まれるの?」

幼い子供に問われた経験、ありませんか。しどろもどろになって、「タマゴから生まれたのよ」とこたえたのは、あさひとこはるのママです。


へその緒の太さは15ミリ!意外と知らない出産や性のこと。「赤...の画像はこちら >>

タマゴが先か? おへそが先か?

『こどもせいきょういくはじめます』(KADOKAWA)は、子ども自身が自分の心と体を知って、自分と周りの人を大切にするための本。

性教育というと「性交」をイメージする方も多いのですが、実はもっと幅広いもの。特に本書は、小さい頃から学んでほしい自分も他者も大切にする人権の学びも、小学生にも理解できるように伝えています。

登場人物は、小学2年生の双子、あさひ(男の子)とこはる(女の子)。ふたりのママとおじいちゃん。つるかめ小学校の仲間達と校長先生です。

物語は、「ぼくたちもタマゴから生まれたんでしょ?」問題からはじまります。

ママから聞いたという「タマゴから生まれた」という話を信じるあさひとと「おへそのある生き物は卵から生まれないんだって」というこはるの疑問に「?」が重なるふたり。はたして大人達は、ふたりに正しいこたえをおしえられるのでしょうか。

へその緒の太さは15ミリ!意外と知らない出産や性のこと。「赤ちゃんはどこから来るの?」もし聞かれたら<マンガ>
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私達はどうやって生まれたの?

私達大人は、子供は母親のお腹の中で育ち、やがて生まれてくる、というのを知っています。が、それも案外漠然(ばくぜん)としたものですよね。

本書は、2007年から性教育カリキュラム「からだ・こころ・いのちの授業」を実践する、東京の小学校を取材し、その内容を学年ごとのテーマに沿ってマンガで構成。

2年生のたんじょうの授業では、子宮、胎盤、へその緒の関係性から、羊水についても詳しく解説しています。

「へその緒の長さが50~60センチ(長い人だと100センチ)、太さが15ミリ(個人差があって約10ミリ~25ミリくらい)」など、意外な事実にハッとします。
しかも胎児とともにすべて母親の子宮に収まっているのです。

出産を経験した母親でも、その事実を知らないことが多いですよね。

「羊水を飲んでからだの中できれいにして、尿として出している」という循環も、さらに「羊水のいらないものはへその緒からお母さんに送る」という仕組みも、実によくできていて驚きます。

ほかの動物と同じように、人間科学として知るおもしろさもあります。

子供だけではなく、大人にも説いてほしいと思わずにはいられません。本書は小学生向けに書かれた一冊ですが、親子で読むことで「私はこんなに頑張って生まれてきたんだね」という発見を、共有することができます。

さわってもいいですか?いやですか?

友達同士、仲の良い男女間。スキンシップは大切だけど、生理的に受けつけない時もあります。相手が嫌いというのではないのです。今はさわられたくない、そっとしておいて、というメンタルが誰にでもあるのです。

この微妙な心の揺れを子供の頃に学んでいたら、大人になって起こりうる悲劇が、少しでも減らせたのではないでしょうか。

つるかめ小学校の校長先生が考案したのが「ふれあいゲーム」です。「握手」「肩をくむ」「ヒザにのる」「ハグ」など、振ったサイコロの目で指定し、二人一組になって実行するのです。


ゲームのルールは、「①ふれあいをしていいか相手に聞く②返事をする③断られたらやらない。泣いたり怒ったり不機嫌にならないこと」。もちろん、お互いを気遣うのを忘れずに。

単純で簡単なゲームですが、実に奥が深いです。子供は無意識に我慢を強(し)いられている場合もあり、それが普通になってしまう危険性もありますが、ゲームを通して断ることや相手のNOを受け入れることの練習ができます。

現代では、子供だけではなく大人にも、こういったゲームが必要ではないでしょうか。

あなたのことは好きだけど、でも…

難しいのは、好きな相手のはずなのに、なぜか今はいやだと思ってしまう時。好意をよせ合っている者同士の「なぜ?」です。

恋人や夫婦でなくても、友達同士や親子間にも意識の齟齬(そご)はおとずれます。

人の心や感覚はとても微妙で繊細。「いや」と言ってしまった本人ですら、その気持ちに不信を抱き、苦しんでいるかもしれないのです。

大切なのは、どちらも悪くないという事実です。
自分を拒絶しているのでも、あなたが拒絶されているのでもありません。今はそういう時だから、距離を置いて思い合えばいいだけです。

子供のために書かれた本書ですが、大人こそ読むべきではないかと、一読して真摯な気持ちになりました。“こういう教育を受けたかった!”と心底思える一冊です。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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