お笑いコンビ・令和ロマンの高比良くるまが、4月28日に自身のYouTubeチャンネルで、吉本興業を退所したことを発表した。相方・松井ケムリは吉本に残り、コンビとしての活動は継続していくという。


今回、他のニュースでさんざん報じられているので契約終了の理由は割愛するが、くるまが公表している退所エピソードを聞く限り、吉本の上層部はかなりシビアな問題と捉えているようで、コンビの活動がいままで通りスムーズにいかないことは間違いないだろう。果たして、令和ロマンはどうなっていくのか?

TVにこだわらない令和ロマンは吉本退社がプラス

今回の騒動で感じるのは、令和ロマンは吉本退社がプラスになるのではないかということだ。

各メディアで報じられているが、くるまはテレビ出演をメインとしない活動を行ってきた。しっかり出演する番組を選び、その上でテレビは「自分たちより上の世代のものだと思ってる」という発言をしている。

つまり、これまで契約解除された芸人たちと違い、吉本を退所してテレビ出演がしづらくなることは令和ロマンにとってはデメリットにならない。

逆に、これまでは吉本の管理の中で自由に動けなかったこともあるだろう。足かせが無くなることで、YouTubeをはじめさまざまなメディアに挑戦しやすくなるなどメリットが大きいといえる。

漫才の場が少なくなる可能性も

ただ、一つ問題なのは、漫才を披露する場が少なくなるかもしれない部分だ。ケムリは事務所に残るが、吉本が管理する劇場に令和ロマンが出場するのはハードルが上がりそうだ。

現に、ケムリは4月30日放送の『ラヴィット!』(TBS系)に一人で生出演し、「くるまは出たくても出れなかった」と話している。同番組には、令和ロマンがレギュラーとして関わっていたので、単純に契約解除で出演できなくなったと考えられる。

そうなると、ケムリが吉本に残っても、令和ロマンが吉本関連の劇場に出演できる保証はない。漫才がメインの活動となるコンビだけに、劇場出番が少なくなるのは死活問題だ。

現状、くるまは「『M-1ツアー』などの巡業公演に参加できる」、「自主企画のライブイベントなどができる」ことを、動画で明かしている。
そこには劇場という言葉は無かっただけに、この問題がどう解消されるかで令和ロマンの活動も大きく変わるだろう。

「おいでよ」他事務所の芸人からオファー

いろいろと物議を醸している高比良くるまだが、早くも個人事務所に所属する芸人仲間からオファーが届いている。

さらば青春の光・森田哲矢は、自身のX(旧Twitter)で「副社長のポストを用意してます」とつぶやき、ダウ90000の蓮見翔も「カニバブルにおいでよ」と、それぞれが個人事務所に勧誘を行った。

芸人たちの冗談まじりのネタ投稿であるとはいえ、実際どの事務所にいけば「くるま」が輝くかを少し真剣に考えてみよう。

さらば青春の光、ラランドの事務所へ合流のメリット

まず、くるまの才能がもっとも活かされる事務所は、さらば青春の光の個人事務所「ザ・森東」だろう。

さらば青春の光は、単独ツアーを定期的に実施しているのが魅力だ。名のある令和ロマンとはいえ、いきなりツアーを組むのは至難の業。そこをカバーできるのは、ザ・森東の強みとなる。

また、傾向は違うがYouTubeの収益化もうまい。奇抜な企画が多い、さらば青春の光のチャンネルだが、意外にも「コント動画」の人気が高い。このノウハウは、令和ロマンのチャンネルの活性化にも応用できそうだ。

そのうえで、テレビへの営業力も強く、くるまが出演を望む番組へのプッシュも可能になりそうだ。

さらに、相性で言えばラランドの個人事務所「レモンジャム」が一番。社長を務めるサーヤがくるまと仲が良く、大学のお笑いサークル時代から切磋琢磨してきたのは有名だ。


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2人でバラエティ番組『みんなテレビ』(テレビ朝日系)のMCを務め、サーヤが所属するバンド・礼賛の楽曲でコラボをしたこともある。誰よりも芸人の中でサーヤがくるまを理解していて、レモンジャム所属となればエモい展開が待っているだろう。

『M-1グランプリ』3連覇を目指しやすくなった

と、勝手な妄想をしてみたが、くるまが個人事務所で活動することが既定路線だ。では、今後どんな動きをするのか?

まず、YouTubeチャンネルが活性化するのは間違いない。現在、時の人となっているので、矢継ぎ早に動画を配信したほうが良い。

そのうえで、活動の基本となるライブをどうするかだ。

現在、漫才協会会長のナイツ・塙宣之が、ラジオで令和ロマンを協会に勧誘しているが、意外性という部分では加入するのもありだ。協会の主戦場である浅草の東洋館に、令和ロマンが出演するのも話題性抜群。

また、話題性で言えば、吉本を辞めたことで『M-1グランプリ』への出場と3連覇を目指しやすくなった。

吉本在籍時は、周囲の空気もあり3連覇は現実的で無かっただろう。現に、昨年『有働Times』(テレビ朝日系)へ出演した際は卒業する意向であると明かしていた。しかし、吉本退社でストーリーができ、3連覇という「復讐劇」を視聴者も切望している。

3連覇すれば、『M-1』の存在意義を問われる可能性があり吉本への復讐となり、今後はツアーが打ちやすくなるなど願ったりかなったり。
ぜひ、今回の独立で『M-1』への参戦を表明して、古巣を震えあがらせてほしいところだ。

「辞めさせられた」と納得しないファンの期待のために

さて、いろいろ令和ロマンと髙比良くるまの今後を推測したが、なにより独立をキッカケに大暴れを期待したい。

どんな理由であれ、吉本を「辞めさせられた」ことに納得していないファンは多くいる。そんなファンの期待に応えるために、くるまには予想の上をいく活躍を望んでいる。

吉本が簡単に辞めさせなければよかった…そう思える未来になることを願う。

<文/ゆるま小林>
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