==========
「この人、合わないかも…」そう感じるポイントは色々あります。それはファッションだったり、笑いのツボだったり、もしくはお金の使い方だったり…。
「金銭感覚が違いすぎて…僕の手に負えないなと思ってしまいました」そう話すのは鈴木翔太さん(30歳/仮名)。
写真の女性に一目惚れ
ある時、翔太さんの目に止まったのは、仲の良い女友達A子さんのSNSの投稿でした。「学生時代からの友人のA子が、めちゃ可愛い女性との写真をアップしてたんです。投稿を読むと通っているヨガ教室で仲良くなった子のようでした」

連絡先ゲット!
A子さんとA子さんの彼、そして意中の女性の奈緒子さん(28歳/仮名)と翔太さんというメンツでランチへ。「最初は緊張して何を話したか覚えていませんが、奈緒子さんは写真で見るよりも“どタイプ”でした!」
その日は舞い上がってしまい、うまく話せなかったのですが、“櫻井翔”似で笑顔の可愛い翔太さんは女性受けするタイプ。奈緒子さんも、まんざらではない様子で、彼女の連絡先のゲットに成功しました。
いざ、初デートへ!
さっそくデートの約束を取り付けた翔太さん。奮発して、少しお高いレストランのランチを予約しました。友人のA子さんからは「彼女はかなりの“お嬢さま”だから、覚悟した方がいいよ」と忠告されますが、深く気にせずにウキウキ気分で出かけます。しかし、後にこの忠告を思い出すことに…。
「少し早く着いて予約したテーブルで待っていると、時間ちょうどに奈緒子さんがやってきました」
少し分かりにくい場所だったため「ここ、迷わなかった?」と聞いた翔太さん。

『遅れないように、わざわざタクシー使ったんだ!』って感激しました。いい子だなって…」
あれ…飲み物って…
ランチはコースを予約していた翔太さん。飲み物を選んでいると「セットのドリンクはこちらからお選びになれます」と店員さんに促(うなが)されました。しかし…「驚いたのは、彼女が『アイスロイヤルミルクティーで』と“セット以外のドリンク”をオーダーしたことです…。いや、僕の懐が狭いのは承知なんですが…、普通、セットの中のドリンクを選びませんか…?」

デザートも…!?
出だしに受けた衝撃を隠しつつ、なごやかにランチを進めた翔太さん。しかし、さらなる衝撃が待ち構えていました…。
そういう場合、翔太さんは「追加料金かかるのかな?」と気になり、確認することも多いとのこと。しかし、奈緒子さんは全く金額を気にする様子はなく「あ、じゃあそれで」とあっさりとオーダーします。
「ガチのお嬢様だなって思いました。少しの差額なんて、まったく気にしないで生きてきた、という感じがにじみ出ていました…」
後から金額を確認したところ、やっぱりその特別なデザートにはプラス料金がかかっていたそう。
お会計へ!
少しばかり、自分のお給料には痛手なランチだった翔太さん。腹をくくってお会計をしようとすると…。「奈緒子さんが『あっ、割り勘にしましょう!』って言ってくれたんです。僕がケチケチしてるのに気がついたのかも知れません…」
しかし、自分が誘ったその日のデートはもちろん奢(おご)るつもりでいた翔太さん。「今日は大丈夫だから!奢らせてよ」と遠慮します。
いい子だな、でも…
正直なところ、デートの会話の内容やその日の彼女の美しさよりも、彼女のお嬢様っぷりが強く印象に残ってしまった翔太さん。「いい子だったんです…。でも、正直僕には手に負えないかも知れないと感じました。金銭感覚が全然違うんだろうなって…。タクシーも、ふだんから使ってるんだろうなって後から思いました」

<文/まなたろう イラスト/ただりえこ>
【まなたろう】
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きでコーヒーソムリエ資格取得。