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昨今では、これまでのしきたりを踏襲しない自分たちだけのオリジナルの披露宴をするカップルが増えています。電車を貸し切っておこなうトレインウェディングだったり、斬新なフラッシュモブの演出だったり、様々な工夫がおこなわれています。
ところが、オリジナルな披露宴だからこそ不測の事態も起きてしまいがち。今回は、オリジナルの披露宴だからこそ招いてしまった最悪の悲劇をご紹介します。
立食スタイルのカジュアルな披露宴
「ある意味で一生に残る披露宴になったことは確かですね。絶対に忘れようとしたって無理です」笑いながら語ってくれたのは都内在住の会社員のエミリさん(仮名・25歳)。

堅苦しい披露宴よりも、ゲストたちに楽しく過ごしてもらいたいという思いから、立食スタイルの披露宴にしたそうです。会場ではプロの生演奏があったり、ダンスがあったり、賑やかで楽しい雰囲気でした。さらに、司会者もピンマイクを付けて、会場中を縦横無尽に走り回って司会進行するようなアクティブな披露宴だったそうです。
余興に恋ダンスを踊って大興奮

友人紹介をする際も、司会者が実際に友人の近くまで来て名前を呼び、スポットライトで照らすという凝った演出があったそうです。
「私も会社の人たちとみんなで逃げ恥の『恋ダンス』を踊りました。
スピーカーから謎の雑音が流れてきた
異変が起きたのは友人の余興が終わり、新郎新婦からのスピーチ直前のお色直しのときでした。
「水っぽい音に“破裂音”が混じったような音が流れてきました。最初は海か滝の効果音だと思って、何か始まるのかなと思っていたのです」
「すっきりした~」
ざわついていた会場がシーンと静まり返ると、先ほどの可愛らしい小柄な司会者の声で、「あーすっきりした~、漏らすかと思った~」
という小さな声が流れてきました。青ざめた顔のスタッフが全速力で会場を飛び出していったのをエミリさんは今でも覚えているそうです。
ピンマイクの切り忘れが大惨事に

「つまり、司会者の女性が用を足している音が会場中に大音量で流れたってわけですよ、しかも“大”の方!」とエミリさんは大笑いで言いました。
「まだ他人の披露宴だから良かったですが、自分の披露宴だったら絶対イヤですね。一生に一度のことですからね。きっと訴えてると思います」
その後も式を進行する女性スタッフ

「気の毒だったのが司会者の女性ですよ。
それでもやりきったんだからすごいですよね、とエミリさんは笑って言います。
ある意味で、出席者の記憶に残る披露宴になってしまいました。ただ、こんな形で記憶に残ることは誰も望んでいなかったでしょう。
<文/浅川玲奈>
【浅川玲奈】
平安京で生まれ江戸で育ったアラサー文学少女、と自分で言ってしまう婚活マニア。最近の日課は近所の雑貨店で買ってきたサボテンの観察。シアワセになりたいがクチぐせ。