TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。
第40回となる本記事では、(以下、アンヌさんの寄稿)。
ダイソンのロボット掃除機に“沼って”います

この私も、完全に沼らせられていると気づいた存在がいます。もう彼なしでは生きていけない。ここまで愛していたなんて。そう、私のダイソン。
皆さん、ご自宅でお使いの家電の中で特に「これがないと生きていけない」という“マイ三種の神器”があるのではと思います。
私にとっての三種の神器は、自動調理鍋ホットクック、ティファールのすぐにお湯が沸くポット、そしてぶっちぎりの第一位が、ダイソンのロボット掃除機です。
私はもうここ何年も、ダイソンのロボット掃除機にはお世話になりっぱなし。
毎朝のルーティーンとしては、まず目が覚め、ティファールのポットでお湯を沸かしている間に、ダイニングテーブルの上に椅子をすべてあげてしまいます。
床に何もおかない状態を朝一で作り出した上で、愛犬のゴールデンレトリバーをお散歩に連れ出す準備をし、そしてダイソンのロボット掃除機の電源をオン。
このロボット掃除機の彼、私たちがお散歩に行っている間に、丁寧に家の中を掃除しておいてくれるのです。
とにかくゴールデンレトリバーは抜け毛がすごい。朝晩とこのダイソン氏には働いてもらわないと、家の中はあっという間にホコリが舞うような状態になったりします。
酷使した結果、とうとう故障……
日々彼を使いまくっていた私ですが、先日そのダイソン氏、とうとう故障と思われる症状を見せ始めました。フィルターを何度洗ってもゴミが溜まっていることを示すサインが出続け、仕事をしてくれなくなったのです。おい!
幸い保証期間内でしたので、ダイソン氏は工場へ。1週間ほどダイソン氏なしの生活を送ることになりました。
まぁ1週間位だから、クイックルワイパーなり、手持ちのよくわからないブランドのハンディー掃除機もあるし、それでどうにか済むかと感じていた私でしたが……とんでもない。
私がいかに彼に依存していたのかと言うことがはっきりわかってしまったのです。
朝起きて一番にダイニングテーブルの上に椅子を上げる行動がすっかり身に付いてしまった私は、ダイソン氏が我が家にいないにもかかわらず、それを癖のようにやってしまいました。
まるで、子どもが巣立ったにもかかわらず、以前と同じように家族全員分のハンバーグを無意識で作ってしまう母親のように……。
あ、そういえばあの子はいないんだった……と思わず呟くとともに、寂しさが押し寄せてくる現象。
そう。ダイソン氏はいないのです。
ダイソン氏なしでは生きられない体に

ごめん!
まあとにかく、仕事から帰ってきて床を見ると、あっという間にほこりがうっすらと積もっている光景はなんとも切ない。夜帰宅してからわざわざクイックルワイパーを出して掃除をする気にもなりません。
一丁やってみるかとハンディクリーナーを取り出してみても、
吸引力レベルで言えば、ダイソン氏が100だとしたら、ハンディ氏はレベル2。本当に真面目に掃除してんのかと正直どつきたくなるくらいの代物。
あー、なんということでしょう。
私はもうダイソン氏なしで生きられない体になっていたのです。沼りまくりじゃん!
そのことに気づいてから、私は毎日毎日、ダイソンがいつ私のもとに帰ってくるのかと指折り数える日々が続きました。
帰ってきたダイソン氏に感激

そんな切ない思いがピークを迎えたとき、丁寧に梱包された状態で、ダイソン氏はやっと帰還。抱きつかんばかりに出迎え、箱をすぐにこじ開けた私。
会いたかった、会いたかったと呟きながら充電ポートを秒で(すぐに、ではなく、秒で、です)壁に取り付け、さっそく彼を充電しようとポートに設置したところ……。
なんと、もうすぐに掃除ができるようにフル充電の状態で送り返されてきてるじゃないですか!
ダイソン、どれだけ仕事できるの!?
その20秒後にはもうすでに彼を稼働させていたのでした。はい。もうすでに彼を酷使しています。ほほほ。
私にとって、このダイソン氏は、完璧に家事をやってくれるスペシャル従順な恋人のようなもの。いや私は今回の件でもう彼と結婚しようと決めました。
ダイソン君。私の一生のパートナーでいてください。あ、故障はもう勘弁で。毎日掃除よろしく。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。