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結婚相手に自分の家族や親戚をぞんざいに扱われると、腹立たしい気持ちになる方も多いはず。
井口美里さん(仮名・33歳)は、夫が見せた、甥っ子に対する区別に苛立ちを感じ、大喧嘩。その先で明らかになった、夫の思わぬ本音に凍りついてしまいました。
甥っ子と楽しく遊ぶ夫の姿が微笑ましかった

「もし、私たちの間に子どもがいたら、いいお父さんになったんだろうなと。公園に連れて行ったり勉強を教えたりと積極的に相手をするので、甥っ子に懐かれていました」
小学校低学年の甥っ子は、遊び方がパワフル。時には軽くパンチをされたり、おんぶをせがんだりすることもありましたが、和明さんは嫌な顔ひとつせず遊んでいたそう。
仕事の疲れもあるのに、それを微塵も感じさせないほど真剣に子どもの相手をする夫の優しさに、美里さんはほっこりしました。
私側の甥っ子には冷たく当たる夫にイラッ…

それは、シングルマザーである美里さんの妹から「仕事の関係で、どうしても子どもを2~3日預かってほしい」と頼まれた時のこと。甥っ子は和明さん側の甥っ子と同い年だったため、「この子のことも、あの人は笑顔で面倒みてくれるはずだ」と美里さんは思っていました。
ところが、いざ甥っ子を預かってみると、和明さんはまったく甥っ子と関わろうとしません。
「俺の甥っ子は頭が良くて出世しそう」理由に絶句…
悲しそうな顔をする甥っ子を見た美里さんは2人を引き離し、「ちょっと話がある」と和明さんを別室へ呼び出しました。自分の甥っ子には優しいのに、なぜ、あの子には冷たく当たるのか……。美里さんが理由を尋ねると、和明さんから返ってきたのは「だって、あの子は馬鹿そうだから(笑)」という、まさかの返答!

「俺たちは子どもができないから、使えそうな甥っ子に恩を売っておかないとね」という和明さん。その姿に、美里さんは恐怖を感じたといいます。
「まさか、損得勘定で子どもの面倒を見ていたとは思わなくて……。ずっと優しい人だと思っていたので、こんな計算高かったんだと驚きました」
「わかってないなあ(笑)」と一蹴され…
美里さんは「老後の世話を甥っ子に頼もうなんて図々しいし、あなたの勝手な未来の計画で、うちの甥っ子を傷つけないで」と告げましたが、「里美はわかってないなあ(笑)」と一蹴され、和明さんの態度は変わりませんでした。「今も、夫は姉夫婦の甥っ子に優しい。でも、そこに隠された本音を知ってしまったので、その光景を見ても微笑ましいと思えなくなってしまいました」
誰かをあてにするよりも、自分で自分を養えるよう、老後に備えて貯蓄や知識を身に着けていってほしい。そんな美里さんの願いは、届く日が来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。