「冬以外、全部汗」──止まらない発汗のリアル
都内在住の矢田美鈴さん(仮名・31歳)は、子供の頃から汗っかき。日常生活に支障が出るほどだったそうです。「夏になると汗をかくというわけじゃなくて、もう“冬以外全部”です。それも『シャワーを浴びながらシャツを着てるの?』っていうくらい、短時間で服が半透明になります」
会社の同期や友人を見ていると、その差に驚くのだとか。
「彼女たちは『暑い~!汗かいちゃった』って言いながらも、ほんのり汗ばんでいるか、いないかというレベル。そして、肩や手に触れると、なんだかんだ言いながら乾いてる。服が肌にはりついていなくて、服と体の間に“さわやかな空間”がちゃんとあるんです。その隣で私は『常に小雨振ってるのかい!』っていうくらい、湿度100パーセント。ひとりジャングルの湿度です」
なんでも、母方の家系は男女問わずほぼ全員が汗っかき体質。そしてとくに健康に異常は見当たらないそうです。
「病気なら対策できるのですが、原因が見当たらない。病院に行っても、きまって『自律神経に問題があるかも』とか『ストレスかなあ』と言われるだけ。
自家発生する“生乾き臭”──汗と気温の悪循環
そんな極度の汗っかきであることを自覚している矢田さんは、最近ある悩みを抱えているとか。
ジップロック5袋が日常?!汗との戦いに挑む日々
だからこそ匂いで周りの人に迷惑をかけたくないと、毎日の対策にぬかりはありません。
市販の汗対策グッズは、あえてあまり使わないそうですがその理由とは……?
「とにかく高い!……この一言につきます(笑)。
最強の味方はスーパーの“あれ”
そこで編み出したものが、スーパーで無料でもらえる“アレ”でした。
保冷剤をポケットに忍ばせるとは、かなり即効性がありそう。100円ショップなどに売っている小型の保冷剤などでも代用できそうです。
「この厄介な体質と向き合うには、絶望し続けていてもどうにもなりませんからね。だったら、コスパ良くちょっとでも毎日を快適に過ごせる方法を勉強した方がいいかなって。まあ冬場でもしっとり潤っているので、乾燥知らずなのは嬉しいです(笑)。
異常な発汗や多汗症の背景には、ときに自律神経の乱れやストレス、さまざまな病気が隠れていることもあるので注意が必要です。ただ、謎の遺伝体質によって、汗に悩まされている人もいます。
まだまだ暑い時期が続くこの季節、たくさんの人々の“オリジナルの対策法”を知りたいですね。
<文/青山ゆずこ>
【青山ゆずこ】
漫画家・ライター。雑誌の記者として活動しつつ、認知症に向き合う祖父母と25歳から同居。著書に、約7年間の在宅介護を綴ったノンフィクション漫画『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。』(徳間書店)、精神科診療のなぞに迫る『【心の病】はこうして治る まんがルポ 精神科医に行ってみた!』(扶桑社)。介護経験を踏まえ、ヤングケアラーと呼ばれる子どもたちをテーマに取材を進めている。Twitter:@yuzubird