ガヤガヤした居酒屋も悪くはないが、まったりとした雰囲気のお店でのんびり飲みたい気分になる日もしばしば。そんな時は飲食チェーン「PRONTO(プロント)」が良いかもしれない。
「プロント」では、コロナ禍で2020年に売上が50%まで落ち込んだことをきっかけに、「昼はカフェ、夜はサカバ。」をコンセプトに掲げ、「キッサカバ」を2021年から展開している。
要するに、夜になると特定の店舗でアルコールメニューやおつまみの提供をするようになるらしい。「プロント」といえば「
仕事終わりの20~30代の女性たちがパスタをすすりながら会社や恋人の愚痴を話している」というイメージ、もとい偏見、厳密には妄想を抱いている筆者。正直「プロント」で飲むことにあまりピンとこなかったため、実際に行ってみた。※以下、価格はすべて税込・取材時のものです。
かなり静かな店内、パスタ女子会は見当たらない
今回は「PRONTO 新宿駅東口店」を訪問。平日の18時半というディナータイムではあるが、客の利用率は5割ほど。カップルの姿もあったが、ノートパソコンで作業するビジネスパーソンや、参考書を広げている若者など、基本的には1人客が多い。ちなみに、パスタ女子会は開催されていなかった。
かなり静かな店内
やはり仕事や勉強に集中している人が多いからか、会話のボリュームは小さい。店内には、ヒップホップのようなボサノバのようなBGMが静かに鳴り響くだけ。
のんびりと飲める空間なのはありがたい。
皆さんに有益な情報をプレゼントしたくて
コスパの良さそうな「BAR SET」
早速注文。今回は頼まなかったが、アルコール1品とおつまみ2品の「BAR SET」(1,320円)はそこそこお得だ。
“せんべろ”とはいかないが、オシャレなおつまみを2品食べて1杯だけ飲んで帰るのも悪くないかもしれない。
パ、パ、パイント???
ちなみに筆者が「BAR SET」を選ばなかった理由は、ビールの「パイント」(869円)というサイズが気になったからだ。「パイント」という言葉はたまに耳にするが、これまでどのお店でも注文したことがない。
筆者は某コーヒーチェーンがブームになり始めたころ、「トール」や「グランデ」のサイズ感がわからず、ひよって「ショート」しか頼めなかった過去を持つ。そんなかつての筆者のように、「パイント」を頼みたいけど頼めない人に有益な情報をプレゼントするため、今回「パイント」を注文した。
気になる「パイント」のサイズ感は
大きいと言えば大きい
一緒にフードも注文したが、まず初めにビールが到着。約900円の大金をはたいただけあって、なかなかのサイズ感。ただ、写真ではうまく伝わらない気がしたため、財布の中に長らく入れっぱなしで、使いどころがなく角がフニャフニャになっていた図書カード(幅86mm、高さ54mm)と比べてみた。
図書カード2、3枚分?
並べると図書カードおおよそ2、3枚分の高さと言える。高さはそこそこあるがかなりスレンダーなグラスに入ったビールを800円ほどで提供するお店も一定数あることを考えると、この量であれば決してコスパが悪いとは思わなかった。
ちょい飲みなら、オーダー時に伝えたい“ひと言”
飲み物に900円近く使ってしまったため、料理は2品に自重。プロントといえば「美味しいパスタ作ったおみせ」というイメージが根強いため、パスタの中から「葉ニンニクのペペロンチーノ」(400円)を。そして洒落たメニューも食べたかったので「彩り野菜のとろとろチーズオムレツ」(400円)も注文した。
メニューを待ちきれずにちょっとビールを飲んでしまっている
ちなみに、ビール到着から料理が運ばれてくるまでに10分ほどかかった。
暑い日だったこともあり、ビールがぬるくなるのを避けたくて、料理が届く前に少し飲んでしまった。
「ビールは料理と一緒に」と伝えておくべきだったのかもしれない。
ビールよりワインが正解だったか
多分アルデンテ、多分ね
まずは「葉ニンニクのペペロンチーノ」から実食。お恥ずかしい話、“アルデンテ”の定義はいまいちわからないが、おそらくアルデンテ。パスタはモチモチ感がありつつ、芯のかたさも感じられた。
オリーブオイルの風味がオシャレ
また、ブラックペッパーやニンニクの香りがありつつも、オリーブオイルの風味がしっかり立っていた。プチトマトには甘みがあり、全体的に品のある味わい。食べながら「ビールではなくワインだったかも……」という後悔が浮かぶほど、塩味や油っぽさは控えめだった。
“ビール寄りのジャンク”にしてくれる救世主
次に「彩り野菜のとろとろチーズオムレツ」。こちらも「葉ニンニクのペペロンチーノ」同様、さっぱりとした印象。
彩り豊かで可愛い
パプリカやズッキーニには青臭さがなく、野菜のうまみをしっかり感じられる。さりげなくマヨネーズの香りが漂い、どこかマカロニサラダのような雰囲気もあるが、あくまで自己主張は控えめ。卵と野菜の味を邪魔しない。
救世主
とはいえ、ビールを頼んでしまった筆者は、「
ブラックペッパーを振りかけまくりたい!」と、ジャンクな味に“改悪”したい衝動にかられた。そこで無料でオーダーできる粉チーズを招集。粉チーズをかけることで味に粗さが加わり、ビールとの関係性向上に成功した。
========
「プロント」で飲んでみたが、やはり他のチェーン店よりは少し高い。ただ、店内は静かで、多少割高なのも納得できた。また、今回はワインに合いそうなメニューばかりを注文したが、ビールに合うメニューも少なくないはずだ。いろいろな料理とドリンクの組み合わせを探してみるのも面白いかもしれない。
<写真・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki