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一度嘘をつくと、それを隠すためにさらに嘘を重ねなければいけなくなってしまいます。今回は不倫を隠すためにしたあることが原因で、大惨事に発展してしまったエピソードをご紹介します。できれば嘘をつかずに生きていきたいものです。
アパレル関連企業に勤める夫と元CAの妻
アパレル関連企業に勤めている弘行さん(仮名・42歳)。コロナウィルス感染症が流行する直前まで、アジア方面への出張が続いていました。弘行さんが勤める企業のヘッドオフィスは東京丸の内にあるため、成田への入国が多いそうです。ちなみに、妻の美希さん(仮名・38歳)は元CAで自宅を守っています。
幼馴染の元カノからメールがきて魔が差す
「あれは俺が上海に出張してるときでした。小学校時代からの幼馴染の久美(仮名・41歳)からLINEが届いたんです」弘行さんと久美さんは一時期恋人関係にもあった仲でした。久しぶりの連絡ということもあって、通話で昔話に花を咲かせたそうです。話が盛り上がった流れで、弘行さんは久美さんに会う約束をします。
妻に嘘をついて元カノの元へ
本当は、週末の土曜日に成田へ帰国する予定でしたが、妻である美希さんには「日曜日に帰国する」と嘘の報告をしました。
土曜日の夜に久美さんと会い、思う存分に懐かしい話を楽しんだ後に、一夜を共にしてしまいました。
念には念を入れパスポートの帰国日を偽装
しかし、事が終わった後に、弘行さんはあることに気が付きます。それはパスポートの帰国スタンプの日付が土曜日になっていることです。
「翌日の日曜日、帰宅途中に東急ハンズに寄って、砂消しゴムと水色の油性ペンを購入し、日付を書き換えました。ぱっと見では分からないくらいの完成度で日付の偽装ができました! 我ながら大満足の出来でしたよ」と弘行さん。何事もなかったようにこの日は自宅に戻ったそう。
出国審査で日付の書き換えがバレる

人の少ない午前便を選んで出国。もちろん、美希さんは何事もなく出国審査をスルーします。次は弘行さんの番ですが、職員はなかなか彼を通してくれません。
「これ、書き換えましたね」
「そのときになって、ふと半年前のことが頭をよぎりました」もしやと大量の冷や汗が背中を濡らします。その悪い予想はもちろん大当たり。

そして、係官から一言。
「これ、書き換えましたね」と言い渡されます。
すべてを知った美希さんの怒りは当然収まりませんでした。その後しばらくの間、家庭生活は彼にとっては針のむしろでした。
挽回のチャンスをもらう
「あのさ、私今回のこと全然許してないからね。最低だからね、あなたのとった行動は」微動だにせず、真剣な眼差しで美希さんをじっと見つめる弘行さん。

「はい、わかりました。
執行猶予をかろうじて与えられた弘行さん。でも、それから後世の中はコロナが流行して旅行どころではなくなりましたが、今のところ平穏な日々に戻ったようです。
ただ、今回弘行さんのしたことは許されるものではありません。もちろん不倫もそうですが、パスポートに細工すると場合によっては出入国を拒否されるケースもあります。絶対に真似をしないでください。
<文/浅川玲奈 イラスト/ただりえこ>
【浅川玲奈】
平安京で生まれ江戸で育ったアラサー文学少女、と自分で言ってしまう婚活マニア。最近の日課は近所の雑貨店で買ってきたサボテンの観察。シアワセになりたいがクチぐせ。