今回は、神社へのお参りがきっかけで不思議な体験をした女性のエピソードをご紹介しましょう。
親友の勧めで縁結びの神社へ
上村菜穂さん(仮名・28歳/契約社員)は、ご縁がなく彼氏いない歴=年齢でこれまできてしまいました。「中学生の頃に一緒に帰ったりする彼氏っぽい子はいましたし、男性が怖いとかではないのですが、彼氏という確固たる存在になる男性とはまだ出会えていないんですよね」
そんな菜穂さんを心配した親友の亜希子さん(仮名・28歳/主婦)が「良い縁結び神社があるから行ってみよう」と誘われたそう。
「実は亜希子に何人かの男性を紹介されたことがあるのですが、誰にもピンとこなくて。これはもう神頼みしかないと言われて、半ば強引に連れて行かれたんですよ」
正直菜穂さんは“神社に行ったぐらいで彼氏なんてできるわけない”と思っていましたが、亜希子さんの優しさを無下にはできないので渋々ついて行きました。
「ですがいざ行ってみたらなぜか清々しい気持ちになれる心地よい神社で、思わず真剣に『とにかく彼氏が欲しい』と願ってしまったんですよね」
その日から不思議な夢を見るようになって……
するとその晩、見知らぬ男性が夢に出てきたそう。「名前はユウくんで、私より少し歳下の柔らかい雰囲気のイケメンなんですよ」
ユウくんは当たり前のように菜穂さんの横にいて「何かあった? 話聞くよ」と優しく接してくれました。

ですがそれから毎晩のようにユウくんは夢に登場し、彼氏のような振る舞いで菜穂さんを癒してくれたそう。
「一緒に海に行ったり、お部屋でまったりデートをしたりととても楽しくて。目が覚めても、手を繋いだりハグした感触が残っているような本当にリアルな夢なんですよ」
“彼氏がいるってこんなにも心が満たされるものなんだ”と、ユウくんに会う度に菜穂さんは感動していました。
突然訪れた“夢の中の男性”との別れ
「ですがある晩ユウくんが『もう今日で会えなくなっちゃうんだ。でも菜穂ちゃんはとても魅力的だからすぐに良い人が現れるから心配しないでね』と言いながら消えてしまうという悲しい夢を見て。私は泣きながら目を覚ましたんです」
「その時に私は初めて“この先ずっと独りは耐えられないし、あの夢の日々を実現したい”と強く思い真剣に婚活を始めたんですよ」
やっと本気を出した菜穂さんは、婚活アプリでご縁を掴み、初めての彼氏ができたそう。
“この人ならきっと大丈夫”という確信があった
「それがビックリするぐらいすんなりと、由伸さんという男性(仮名・33歳/会社員)とマッチングして、デートに誘われ告白されて……こんなに簡単でいいの? と思うほどで」由伸さんは終始リードしてくれる頼りがいのある歳上男性で、ユウくんとは全くタイプが違いましたが、初めて会った時に“この人ならきっと大丈夫”という確信がありました。
「一緒に居ると不思議な安心感があり、そこはユウくんと同じでした。
久しぶりに夢に出てきたユウくんに涙
するとその晩、由伸さんと腕を組んで海辺を散歩する夢を見たそう。「そしたら久しぶりにユウくんも出てきてくれて。少し離れたところから笑顔で手を振ってくれたんですよ。きっと私の幸せを喜んでくれているんだなと、とても温かい気持ちに包まれ、また目が覚めたら泣いていました」
それ以来ユウくんが夢に現れることはありませんでした。
「ユウくんが私に自信をつけさせてくれて、背中を押してくれたからこそ、由伸さんという彼氏ができたんだと思います。今すごく幸せですね」
そして亜希子さんも、菜穂さんに彼氏ができたことを大変喜んでくれたそう。
「もちろんユウくんのことも話しました。そしたら『ほら! やっぱりあの神社にお願いした効果があったんだよ』と興奮して、その後一緒にお礼参りに行ったんですよ」と微笑む菜穂さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。