こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

「気づいたら34歳で実家暮らし」福祉職女性の“危機感”

34歳なのに化粧もしない、実家住まい女性が「婚活で撃沈」。男...の画像はこちら >>
 恋愛経験が乏しい女性は、警戒心が高すぎ、現状維持バイアスも働きやすい傾向があります。美紀さん(仮名・34歳)もそんな人でした。神奈川県の中高一貫女子高から、東京の大学に進学し児童心理学を学びました。卒業後は放課後デイサービスに就職して働いています。

 今までに一度も実家を出たことはありません。ただし、学生時代の同級生も実家暮らしの人が多く、合コンや街コンに行きたがる同級生がいない環境だったそうです。同僚もほぼ女性のみで、出会うのは父兄と児童のみ。

 子どもは好きでいつか自分の子どもも持てたらいいなと思っていたのですが、彼氏すらいないまま34歳になってしまいました

 そんなある日、同級生から「マッチングアプリで知り合った男性と結婚する」と報告がきて驚きます。

 アプリを使っていたことも男性とデートしていることも、将来のことを考えて行動していたことも、全てが衝撃でした。

「私はOLじゃないので」普段は化粧を全くしない

 その友達に勧められてマッチングアプリをダウンロードしてみたものの、顔写真を求められることが分かると、怖くなってすぐにアプリを削除したそうです。

「怖い理由は身バレですか?」と聞くと、「それもありますけど、個人情報をネットにさらすことが怖かったです」と答える美紀さん。
聞くと写真を撮る習慣がほとんどなく、SNSも基本的に見ないそうです。

 その後、大手の結婚相談所なら身元確認がしっかりしているので安心かと思い、登録しました。ですがお見合いの調整のため、結婚相談所の担当者とやり取りするのにも消耗してしまったといいます。結婚相談所に登録して約半年ですが、会った相手は2人のみでした

34歳なのに化粧もしない、実家住まい女性が「婚活で撃沈」。男性との“LINE交換”さえ怖い、呆れた理由
疲れ
「お見合いの調整で、どんなことが消耗するのでしょうか?」

「日程の調整からですね。土曜日出勤のこともあって、私はOLじゃないので、仕事ではお化粧もしていないし仕事帰りにお見合いはできないんです。それで休みである平日の希望を伝えると、それだとお見合いが難しいって言われたりするんです。そこまでならお見合いしなくていいんですけど、絶対会わなきゃ罰金が発生するし(※結婚相談所によっては、仮交際が成立したら1回はデートをしないとペナルティとして“罰金”が発生します)。

 担当の人に何回言っても、私の事情は理解してくれません。平日夜でお見合いしたことがあったのですが、相手の方の職場近くの上野まで出て行ってお見合いしたんです。日程を合わせてくれたし文句は言えないんだけど、家から遠いので帰るのも遅くなってしまって、疲れちゃいました。翌日も仕事なのに、帰宅が遅くなるのは困るんです

「平日休みだと婚活は少し工夫必要になりますよね。
『OLじゃないからお化粧しない』って言うけど、お化粧禁止なの?」

「そういうわけじゃないんですけど」

「家の外に出るなら毎日お化粧して。ライバルは毎日当たり前のようにお化粧する女性ですからね。10代ならノーメイクでも彼氏ができるかもしれないけど、『お化粧するのが特別』って美意識で、34歳が結婚するのは無理ですから

「そうなんですか!」

「そう。だらしないです」

待ち伏せされるのが心配だから、職業を明かしたくない

 美紀さんの居住地と職場も神奈川県の県央エリアです。お相手が東京在住でも良いけど、あまり遠い人は嫌なのだそうです。お住まいの市区町村を公開して、あまり遠い人は申し込みしないようにすることを提案しましたが、「個人情報は出したくない」と頑なに拒まれました。

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神奈川県藤沢市(7maru - stock.adobe.com
 生活する中で、出やすい繁華街は藤沢と町田とのことでした。

「プロフィールが『神奈川県』だけだと横浜とか川崎あたりに住んでいるって思う人も多いし、マッチングしてからお互いが遠いのはミスマッチでしょう。ミスマッチを避けるためにも、『藤沢と町田が出やすい』ってプロフィールに書いておきましょう」

 何度も説得して、何とかここはプロフィール情報に含めることを了承してもらいました。加えて、職業は「医療機関」とだいぶ大きなくくりで表現し、シフト休みであることも補足します。

職場が特定されて待ち伏せされたりしたら心配だから、あまり仕事を明かしたくないんです

「考えすぎ! 美紀さんに申し込みが来るのはほとんど40代男性からでしょう。申し訳ないけれど、女性の中でそんなに人気がないんです。待ち伏せされる確率より一生独身の確率の方が高いですよ

初めての電話で男性に言われて「不安になった言葉」

 プロフィールを一新してから、立川に住んでいる方とお見合いが成立しました。土曜日の夜に橋本にあるカフェでお見合いをします。
慣れた土地だったため少し気楽だったそうです。

 相手のことは可もなく不可もなくですが、デートの練習にもなるのでもう一回会ってみることをお勧めしました。美紀さんは初めて仮交際に進んだのです。

 美紀さんが利用している結婚相談所では仮交際が成立すると、男性側に電話番号が開示されて男性から電話がかかってくるというルールがあります。ファーストコールと呼びます。

34歳なのに化粧もしない、実家住まい女性が「婚活で撃沈」。男性との“LINE交換”さえ怖い、呆れた理由
スマホで通話する女性
 ファーストコールで、次に会う日も決まりました。ところが、男性からやりとりをしやすいようにLINE交換しようと言われて、不安になったそうです。電話口では承諾してしまったため、男性からはショートメールでLINEのIDが送られてきました。

友達でもない男性に、電話番号もLINEも教えたくない

 もうその男性と会う気はなくなってしまった美紀さんですが、仮交際が成立したら1回はデートをしなければ“罰金”が発生する結婚相談所なので、仕方なく会うことに。LINE交換の件は無視した状態でデートを迎えます。そして盛り上がることもないままお茶をして解散しました。

34歳なのに化粧もしない、実家住まい女性が「婚活で撃沈」。男性との“LINE交換”さえ怖い、呆れた理由
SNSメッセージのやり取り
「電話番号を伝えるのも嫌だったのに。
友達でもない男性に、LINEとか個人情報は教えたくないんです」

LINE交換なんて、友達未満の人とももっと気軽にやっていいんですよ。関係解消したら結婚相談所から連絡先削除の通知は行くし、他の出会いより安心ですよ。LINE交換を大ごとにしていたら、新しく友達なんてできないでしょう」

「それはそうなんですけど、私は職場の人のLINEも知らないし、学生時代の友達以外に友達がいないんです

 美紀さんは自分と向き合って、現状の自分は婚活どころではないという決断を出しました。職場の飲み会に参加したり、自分から友達を食事に誘ったりして、人と距離を縮める練習をすることにしたそうです。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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