「20代~40代の人たちの半数前後がひどく疲れている」(※)。このデータに、驚くよりも、激しく同意する人が多いのではないでしょうか。
さらに「女性の疲れも深刻です」と言われた日には、「マジで疲れています!」という共感の嵐がおこりそうです。

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いつから「疲れた」が口癖になった?

『寝てもとれない疲れが消える マンガでわかる休養学』(片野秀樹・著、KADOKAWA)は、現代病ともいえる疲労を徹底解明。著者の片野秀樹さんは、医学博士であり一般社団法人日本リカバリー協会代表理事でもあります。日本リカバリー協会では、休養士の教育や養成など、休養に関する問題や理解度を高める講義も行っているそうです。

「休んだのに疲れてる…」のは休み方が間違ってます!医師が教える7つの休養術<漫画>
休養学
片野さんが最初に問うのが、「疲労の対義語、反対語」。つまり疲労の解決策ですが、多くの方が「休養」とこたえています。が、正解は「活力」。ここに、ただ休養しても疲労が取れない理由が隠されていました。

※一般社団法人日本リカバリー協会「ココロの体力測定2024」
2024年4月25日~5月30日、全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)にインターネット調査。

「疲れている(高頻度)」と答えた人は全体で44.2%。20~40代は52.5%~48.9%と、より疲れている。また女性の方が約3%、疲れている人が多かった。

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ストレスが疲労を連れてくる

仕事でパソコン、プライベートではスマホ。タイパにエネパで、動画を見るときは倍速……これでは脳は休めません。
世の中が便利になりすぎて、現代人は「待つ」「ぼんやりする」といった隙間時間すら持てなくなったのです。

交感神経が優位になりっぱなしの脳は、体が休養体勢に入ったとしても、ギンギンに冴えたままです。本書によると、疲労のもととなるのはストレス。しかも現代のストレスは多様化していて、「暑さ、寒さ、騒音や人ごみ」で感じる「物理的ストレッサー」から、「人間関係、家族関係、金銭問題」で感じる「社会的ストレッサー」まで、合計5つあるといいます。

ストレスが引き金となって免疫力が落ちてしまい、自律神経も乱れがちに。こうなるともう、ただ静かに休養するだけでは自分を保てない、と思いませんか。

必要なのは「攻めの休養」

国民性なのか、日本人は休むのが得意ではありません。「休養しているつもりでも、翌日50%しか回復できていない」と片野先生は指摘します。

残りの50%をリカバリーするのが、本書が薦める「攻めの休養」7タイプ。新たな休養サイクルである「①活動→②疲労→③休養→④活力」の活力の部分です。

単純に、自分が一番くつろげる行動にフォーカスするのがわかりやすいです。

●生理的休養
とにかく何もせずに休みたいのであれば「休息タイプ」。
体をゆるめたい、動かしたいという人は「運動タイプ」。

胃腸の負担を抑える軽い食事は「栄養タイプ」です。
休息は1日中ゴロゴロではなくメリハリをつけるのが効果的。運動はヨガやストレッチ、軽い散歩などゆるやかなものがおススメだそうです。

●心理的休養
ペットや家族とふれあう「親交タイプ」、
推し活に代表されるのが「娯楽タイプ」、
創作活動やDIYに取り組む「造形・想像タイプ」。
大好きなペット、趣味の活動に没頭することで明日への活力がわいてきそうですよね。

●社会的休養
部屋の模様替えをする、旅行に行くといった「転換タイプ」も、気分転換や断捨離効果もあり、一石二鳥になりそうです。

オフ至上主義になろう

デジタルデトックスという言葉が生まれて久しいですが、私達が意識する以上に脳はいつでもオン状態のフル稼働。SNSにYouTubeにNetflix、どんどん流れてくる動画・画像に、あえて「待った」をかけるのも現代人の嗜(たしな)みではないでしょうか。体はソファに寝転がって休んでいるつもりでも、画面を追うかぎり脳は否応なしに仕事をさせられているようなもの。

自分が本当に無になれる行動はなんだろう。この問いが、本書の言う「攻めの休養」につながります。外の空気を吸う、ヘッドフォンをはずしてベランダに出る、自然の音を聞く。
豆を挽いてコーヒーを淹れてみる、等々。

オフ至上主義は、自分至上主義でもあります。明日からの脳をかろやかにする秘訣を、本書で考えてみませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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