2023年1月期放送の『大病院占拠』(同)、2024年1月期放送の『新空港占拠』(同)に続くシリーズ第3弾です。
『占拠』シリーズは仮面をかぶった謎の武装集団に巨大施設が占拠されてしまい、櫻井さん演じる刑事・武蔵三郎が事件解決に奔走するというストーリー。そんなスリリングな展開で多くのファンを獲得しているこのシリーズ3作品、すべてに出演しているのがtimeleszの菊池風磨さんなのです。
“敵役”から“共闘”へ──シリーズを貫く菊池風磨の存在感
菊池さん演じる大和耕一は、主人公の宿敵的ポジションの重要キャラ。第1作『大病院占拠』ではラスボスとして君臨。鬼の仮面をかぶった武装集団のリーダー・青鬼として、武蔵を追い込んでいったのです。『大病院占拠』の事件を武蔵が解決して逮捕された大和ですが、第2作『新空港占拠』の最終話で収監先からの脱走に成功。
現在放送中の第3作『放送局占拠』では第1話から登場し、武蔵の義弟である刑事・伊吹裕志(加藤清史郎)を拉致して逃亡するという謎めいた行動を取っていました。
このように主人公と常に敵対するヴィランキャラだったのですが、なんと『放送局占拠』第7話で急展開! 実は『放送局占拠』の武装集団のリーダー・般若が伊吹だったことが明らかとなり、利害関係が一致した武蔵と大和が共闘することに!
武蔵が「大和、俺と来るんだ」「伊吹を止めるぞ、俺とおまえで」と提案すると、大和が「面白いですね、武蔵刑事」と快諾する激熱シーンでシリーズファンを歓喜させたのです。かつての強敵が仲間になるというのはバトルマンガなどでお馴染みの展開ですが、まさか『占拠』シリーズでも堪能できるとは思いませんでした。
『占拠』で得た武器──俳優・菊池風磨の飛躍
菊池風磨さん演じる大和は、お伝えしたとおり第1作ではラスボス、第2作では脱走、第3作では共闘する仲間になるという激動の立ち回りを見せています。しかし、菊池さん自身も『占拠』シリーズに出演するようになってから、激動の人生を歩んでいるのです。

コメディもシリアスも自在に──“チョゼリグ”で開花した演技力
『ゼイチョー』は市役所の徴税吏員(ちょうぜいりいん)にスポットを当てたお仕事ドラマで、税金滞納者のもとに訪問し、時に財産を差し押さえるなどして、滞納されている税金を納めてもらうという仕事に焦点を当てています。菊池さん演じる主人公は、元エリート官僚ながら現在はワケありで市役所納税課の徴税吏員となっており、いつも軽いノリでニコニコとしている脱力系。

前作のときはまだ「Sexy Zoneの菊池風磨」だった
改めて説明すると、菊池さんは2011年に5人組のSexy Zoneとしてデビューし、2024年3月までSexy Zone名義で活動していました。ですから第2作『新空港占拠』のときには、timeleszへの改名が発表されていたものの、依然としてこの時点では「Sexy Zoneの菊池風磨」だったのです。2024年4月からスタートしたtimeleszは、2025年2月に5人が新規加入して8人体制となり、大ブレイク中なのはご存じのとおり。
第2作『新空港占拠』のときはtimeleszとしてリブートすることは決定していたものの、菊池さん自身もまさかここまでグループが跳ねるとは想像していなかったかもしれません。

『占拠』シリーズの激動の歴史と同じく、このシリーズが始まってからの菊池さんの芸能人生も激動だったのです。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。