「顔の比率を描き変える骨格補正メイク専門家」池田 曜央子(いけだ・ようこ)です。元設計士の私が考案した顔の比率を補正する『骨格補正メイク』を、センス不要で理論的なメイク法として書籍などで発信しています。


 今日は、大人女性が年々実感する「顔が間延びして見える」現象について、ちょっとした工夫で若々しく見せるメイク法をお届けします。

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大人の顔に起こる「間延び感」の正体

 一般向けメイクレッスンや、後進を育成する資格講座などを行っているなかで、大人メイクの様々な悩みに出会います。

例えば、20代の頃と比べて、「なんとなく顔が間延びしてきた」と感じたことはありませんか? その理由のひとつは、下顎と頬骨をつなぐ筋肉=咬筋(こうきん)の衰えが挙げられます。

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
咬筋
 咬筋は主に喋ったり食べたりする時に使う筋肉ですが、この部分が衰えることで下顎を支える力が弱まり、結果として顔の下半分が、特に「鼻から下(人中)」の部分が長くなっていくのです。

リップを強調すると、ますます間延びするわけ

「年々印象がぼやけてくる大人向けには濃いめのリップがいい」、「若々しく見せたいから、リップを鮮やかに」と思う方も多いでしょう。

 しかし、口元は顔の下方にあるため、リップを強調すると下方向に視線が集まり、目の錯覚で重心が下がってみえるのです。その結果的に下方向へ“間延び感”を助長してしまうのです。

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
左はすっぴん、右は濃いリップのみ


「目は強く、口元は控えめ」の鉄則で重心アップを

 逆に目線を上に持っていけば、顔全体の重心が引き上がって見え、若々しい比率に補正されます。そのためには、「眉を太め」「アイメイクで目ヂカラUP」がおすすめです。これは「重心の錯視」を利用した大人におすすめのメイクのコツです。

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
左はすっぴん、右は強めのアイメイク
 目元を強めにしたメイクと、口元を強めにしたメイクを比べてみると、前者のほうが若々しく見えるのです。

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どちらが若々しく見えますか?
 難しいテクニックは必要ありません。以下、コツと今季のトレンドを踏まえたおすすめのアイテムを併せてご紹介いたします。

・眉:ふわっと太めで明るめが今っぽいので、太さを出しながら、眉コンシーラーで毛の色を淡く。


※おすすめアイテム:・眉コンシーラー:エテュセ/アイエディション(ブロウコンシーラー)

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エテュセ/アイエディション(ブロウコンシーラー)
・アイシャドウ:ちょっと黄みよりのコーラルで肌馴染みがよく、今風ナチュラルに目ヂカラアップ。

※おすすめアイテム:眉コンシーラー:rom&nd(ロムアンド)/ベター ザン アイズ#01 DRY MANGO TULIP

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
rom&nd(ロムアンド)ベター ザン アイズ#01 DRY MANGO TULIP
・アイライナー:ダークブラウンや、バーガンディカラーのジェルライナーが今っぽくておすすめ。粘膜部分が見える場合は、まつげとまつげの間を埋めるように描くととさらに効果的。

※おすすめアイテム:デジャビュ/ラスティングファイン クリームペンシル7(カシスブラウン)

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
デジャビュ/ラスティングファイン クリームペンシル7(カシスブラウン)
・まつげ下地:まつ毛を延長しながらしっかりカールを持続するマスカラ下地。

※おすすめアイテム:ケイト/ラッシュマキシマイザーHP シークレット

なぜ濃いリップは老けてみえるの? 加齢で“顔が間延びする”問題はメイクで変えられる
KATE(ケイト) エアリーアンダーアイボリューマー EX-1 マットホワイト

メイクは「センス」より「理論」

 メイクって「フワッとしたセンスや感覚に頼るもの」と思われがちですが、実際には、人間の目の錯覚や比率の法則を応用した「理論的な学問」でもあるのです。

 年齢とともに顔が“間延び”して見えるのは仕方のないことではありますが、原因を知り対処法を知ることで、自然にカバーすることができます。リップに頼るよりも、アイメイクで視線を上に集める、それだけで顔全体が引き上がり、若々しい印象に変わります。

 顔のバランスを理解する、この視点を持つだけで毎日のメイクがぐっと楽しくなります。バランスを補正しつつ今っぽさも演出!ぜひ取り入れてみてくださいね。

<文/池田曜央子 ※顔の画像は生成AI>

【池田曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。

1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『骨格補正メイク 顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社) Instagram:@ikeda.makeup ブログ
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