このセリフ、ホラーではなく美容の話。「医療用のヒルに血を吸わせてデトックス効果を図る」というヒル美容を実践しているのが、漫画家のまんきつさんです。
『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』(マガジンハウス、まんきつ著、2025年刊行)は、大好評だった前作『そうです、私が美容バカです。』(マガジンハウス、まんきつ著、2024年刊行)の続編。まんきつさんの美に対するこだわりは、スキンケアやメイクや美容医療を超越し、オリジナリティあふれる自然療法(?)へと進化したのでした。
隠す+オシャレ=若返りの妙
わたくしもピコスポットやレーザートーニングは経験済みですが、シミって根絶できないんですよね。いつぞやは友人と、「シミを取ってもキリがないから、ホクロレベルまで濃くしてアイテム化してしまうか」と話し合ったほど。
若い時に普段しないメガネをかけていると「失恋して泣きはらした?」なんて心配されたものですが、女も年季が入ってくると事情が異なります。今後、メガネを選ぶ際は太めフレームで。
美容液よりも鏡を変えよう
人生経験を積めば、シミ、シワ、たるみなど、見たくない現実も増えてきます。が、直視しなければ転落するのみの美容道。特に老眼の波が押しよせるアラフォー以降は、まめに視力検査をしたほうがいいかもしれません。まんきつさんは10倍の拡大鏡を使用。これで視力矯正ジプシーから脱却したといいます。「ちっさなゴミもまつ毛一本見逃さない」という拡大鏡。ファンデのズレやヨレも、うっかり伸びた鼻毛も、拡大鏡で防げるのです。ショック覚悟で顔を拡大させましょう。
無視できない、光のいたずら
ホテルやジムなど、普段と違う場所でメイクした時の違和感、経験した方も多いのでは?「太陽光がだいたい5000~6500ケルビン(ケルビン=光の色を表す単位)。ケルビンが高いほど青白く、低いほどオレンジ色になっていく」と本書。つまり、オレンジ色の強いライトだと、メイクも白っぽくなりがちなのです。
美肌への近道は大腸を制すこと
シミは顔のうんち、と聞いたことがあります。これ、あながち嘘ではないのかも。まんきつさんいわく、「大腸内視鏡検査の翌日は肌がすっごいキレイになってるの」。事実、検査後に肌がキレイになったり体調がよくなる人はいるようです。トイレでゆっくり憩う余裕はない、という方も、美肌の大敵が便秘と知れば、今すぐにでもトイレに駆け込みたくなりませんか。長期的に考えれば「うんちを我慢しないこと」が、美肌への最短コースかもしれないのです。
やめてよかった美容法は「ダイエット」
若い女性が痩せれば「キレイになった」、アラフォー以降が痩せれば「やつれた」。この残酷な差は避けようがありません。50歳になったまんきつさんも、やめてよかった美容法に「ダイエット」と即答しました。適度に脂肪があるほうが肌にハリが出ますし、毛穴も目立たなくなります。人生の諸先輩達がつぶやく「年を取ると食べられなくなる」その前に、推奨するのが「デブ活」。
<文/森美樹 まんきつさん写真/星 亘>
【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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