こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

「好き」という気持ちがわからない女性たち

 筆者のところへご相談にいらっしゃる方の4割前後が、恋愛経験のない方です。こうした方からよく聞くのが“「好き」が分からない”という悩みです。

 過去に彼氏がいたという方の中にも、「相手から告白されて、特に好きではなかったけど彼氏が欲しかったから交際した。好きという気持ちは分からない」という方はいます。学校や職場、友人の紹介といった日常の中の出会いであれば、共通の知り合いもいて相談もしやすいですよね。何度か顔を合わせていたら、相手の人柄もおおよそ把握できます。

 ですが婚活サービスで知り合った相手の場合は当然、共通の知り合いはいません。

「目が合わない」「臭いがきつい」…どの男性にも“ピンとこない...の画像はこちら >>
 ご相談に来た恵理さん(仮名・33歳/団体職員)は、今まで交際経験がありません。身近な人が結婚していき、このままの生活では出会いも期待できないと考え、1年前に結婚相談所に登録して婚活を開始しました。

誰と会ってもピンとこなくて消耗する

 登録してみたものの、男性はみなスーツを着ていて、どの人も同じように見えます。恵理さんには特に趣味もなく、理想の結婚像もないため、自分からは申し込み(会いたいという意思表示)をせず、申し込まれた中で何人かの男性を選んで会ってみました。

 その中には、まったく目が合わない男性や、臭いがきつかった男性、年上の40代男性もいました。
クセのない男性たちもいましたが、結局、会って盛り上がったお見合いは一度もなかったそう。1回会っただけでは分からないと思い、2回3回と会った男性もいましたが、距離が縮まると感じたことはありませんでした。

33歳なのに40代に見える、マイナスの意味での年齢不詳

 恵理さんは、ファンデーションを塗って眉毛は描いているものの、見た目があか抜けていません。33歳なのに40代にも見えてしまう、マイナスの意味での年齢不詳なのです。

「目が合わない」「臭いがきつい」…どの男性にも“ピンとこない”33歳女性。指摘されてやっと気づいた“自分自身の問題”とは
鏡をのぞきこむ女性
 結婚相談所の写真では、白い長袖ブラウスを着て写っています。その服装も、ライバルのアラサー女性たちと比べると老けて見えました。

 来た申し込みの中に35歳以下の男性はおらず、最も多いのは40代でした。同年代から申し込みが来ない恵理さんは、アラサー女性の中ではあまり人気が高くないのです。

「人気下層」の男性にしか会えていない

 結婚相談所で結婚できる相手というのは、人気レベルが自分と同じぐらいの相手です。しかし、男女とも自分より人気が高い人に申し込みをする傾向があります。恵理さんは33歳なので、その年齢を「若くていいな」と感じる40代男性からみれば「あり」なのです。

 申し訳ないのですが、恵理さんに申し込みしている男性は皆、婚活市場で人気が高くはない男性ばかりでした。今まで会ってきた男性の話を聞いていると、恵理さんの感情の問題で好きになれないというより、好きになりようがない男性にしか会えていないのだと思いました

 もちろん、人気が高いからといって人柄がいいとは限らないですし、男性は「背が低い」といった理由で人気が低くなる場合もあります。
決して「人気がない男性」=「好きになりようがない男性」ということではありません。

 婚活サービスを使うなら、自分の人気レベルを上げる努力をしないと、まともな人に会うのが運任せになってしまうのです。

人気を上げるため、写真を撮り直しメイクを習う

 女性の場合、人気に一番影響するのが容姿で、次が年齢です。恵理さんは有利な年齢ではないものの、まだアラサーです。

 恵理さんには第一段階として、髪型を変えてメイクも習い、ボディラインが分かるような服を買い、写真を撮り直すようにお伝えしました。プロフィールを変えたら、次は自分から男性に申し込みです。

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男性美容師と女性客 散髪
 写真を撮り直したところ、30代男性からの申し込みが増えました。新プロフィールで申し込みが来る男性は、前のプロフィールの時より年収が高い人が増え、会った時も話しやすい人が多かったそうです。

 ただし、話しやすく盛り上がったと感じた男性から断られたり、自分から申し込みをしても10人中1人しか受けてもらえません。ここで恵理さんは、それまでずっと受け身でいたこと、自分を磨く努力を怠ってきたことにも気づきました。

「相手を好きにならなきゃ」という義務感

 もちろん世の中には本当に、相手に惚れにくい人、恋愛をしない人もいます。アセクシュアルやアロマンティックという言葉もあります。他者に対して、前者は性的に惹かれない人、後者は恋愛感情を持たない人を指します。どちらも程度や幅があり、あくまで個人の指向として尊重されるべきものです。


「目が合わない」「臭いがきつい」…どの男性にも“ピンとこない”33歳女性。指摘されてやっと気づいた“自分自身の問題”とは
ハートと女性の手
 また個人差はありますが、若いほど惚れやすく、だいたい35歳を超えたあたりから「好き」とは感じにくくなります。趣味でもなんでもそうですが、若い方の方が夢中になりやすいのです。

 とはいえ婚活をしていると、相手を「好き」にならなきゃいけないと義務感を感じて、悩む女性は少なくありません。

恋愛感情がないまま、結婚していいのか

 今の時代は婚活サービスを介した出会いであっても、たくさんの中から選び選ばれる恋愛結婚です。

 私は、「好き」という気持ちが過度に評価されすぎていると感じます。いい面はもちろんあります。ただ、人が恋している状態というのは、平常心ではありません。例えば「好き」になってしまったために、結婚願望がない彼氏と別れられず年齢を重ねてしまう女性もいます。別れて他に行ったほうがいいと頭では分かっていても、「好き」だからそれができないのです。

 お見合い結婚が主流だった時代なら、好きとは思わなくても、お見合いした相手と結婚して穏やかな家庭を築いた方もいたのではないでしょうか。好きになれないことで、自分を責めて悩むケースも少なかったのではと想像します。

「好き」と感じなくても、自分にとって嫌な人は分かるでしょう。
信頼関係を築けそうな相手かどうか、自分を尊重してくれるかどうかというのも分かるでしょう
。そんな相手と出会えたら貴重です。そのまま結婚しちゃっても、何ら問題はないのです。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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